世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

桜列車

2009年04月04日 23時57分14秒 | Weblog
明日開催される父方の祖母の一回忌出席のため、夕方の電車で実家に帰省。

祖母が亡くなってからもうすぐ一年だ。早い。
桜が散ったあと、昨年4月14日。
祖母は娘たちの手を握りながら95年の生涯を閉じた。


都内某所から雀宮駅まで一時間半、電車に揺られる。

車窓に時々薄紅の色が流れていく。
その度に心が踊る。
特に古河駅の脇に咲く桜並木が綺麗だった。
線路沿いに幾つもの桜が続いている。


実家に着くと栄養価の高い食事が用意されていた。
母は、私の帰省の度に、焼餃子と翌朝用のメロンパンを用意していてくれる。
そういう姿を見ると、やはり親なんだと思う。

ありがたい。


さて、明日は微妙に早く起きなくてはならない。

寝るか。
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白鳥由栄

2009年04月04日 23時47分59秒 | Weblog
白鳥由栄の特集をテレビで観た。

小さい頃、もう20年以上前に、この人のドラマを家族で観たことがある。
あれからずっと脱獄という言葉を聞くと彼を思い出していたが、今日やっと名前が判明した。

脱獄王・白鳥由栄(しらとりよしえ)。

4箇所の刑務所を脱獄した人である。

それも、スゴい執念で。

鉄格子を味噌汁で錆び付かせて壊したり、3メートル上にある天井の天窓まで登ったり。
床に穴を掘って塀の外の地上へ貫通させるなど…やることが緻密なんだか大胆なんだかよくわからない。

脱獄するために、入念な筋力トレーニングをしていたらしい。
ちょっとしたアスリートではないか。

でも彼は自身の身柄の自由のために脱獄を犯したのではない。
人権なんてない悲惨な囚人生活への抗議のために脱獄を繰り返していたのである。

秋田刑務所を脱獄したあと、府中刑務所でお世話になった小林主任の元を訪ね、不条理な囚人生活を涙ながらに訴えたという。

白鳥由栄は、結局、頭が良い人だったのだと思う。
罪を犯して脱獄するなんて、しないに越したことはない。
むしろ許されないことだ。
でも私は彼を尊敬せずにはいられない。
私は仕事でも何でも無理だと分かるとすぐに諦めてしまう。
粘り強さの欠片もない。
第3の方法を粘り強く導き出すことができないのである。

その点、白鳥由栄は、「人間が作ったものに壊せないものはない」という哲学を持ち、「脱獄」という目標を達成するために一途になれた。
それだけで私なんかは「スゴいなあ」と思ってしまう。

だいたい鉄格子に味噌汁を塗って朽ちさせるとか、桶の側面にある金属を剥がしてノコギリを作るとか、そういう発想を白鳥由栄は誰から教わったんだろうか。
知恵を熟成させ、粘り強く目的を達成させる様子は、ぼんやりと生きている私に大きな刺激を与えた。
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