先日、母が「素晴らしかった」と言っていた山梨県北杜市の神代桜(じんだいざくら)を見に行った。
日本三大桜の一つである。
三春の滝桜は小学校卒業した春に見た。
母が我々子供3人を連れていってくれたんである。
日本三大桜、二本目制覇!
あと一本は岐阜の淡墨桜だそうな。
新宿からひたすら西に向かう。
本当は「ホリデービュー快速やまなし号」に乗るはずだったのに、千葉で人身事故が起こり、高尾駅で小淵沢行きに乗り換えるコースになってしまった。
密かに楽しみにしていたので、軽く憤る。
しかし、車窓の美しさに私の機嫌もすぐに直った。
甲斐大和駅のホームに沿うように桜が咲いているのを見たから。
少しの時間、停車した。
時折、風に吹かれた花びらが車内に入り込む。
やがて電車はもっと山奥へ。
山々にぽつぽつと淡い薄紅の斑点が見える。
山桜だ。
なんて可憐なんだろう。
勝沼ぶどう郷駅を通過。
一昨年の春に、母と妹と一緒に泊まった「ぶどうの丘」も見えた。
あの日を懐かしく思う。
春の甲府盆地。
胎内回帰というのだろうか。
尾道でもそうなのだが、山に抱かれる地形にいるとひどく落ち着く。
特に山梨はTHE盆地。
遠くに霞む山々の縁が、水墨画のように淡いラインを描いていて綺麗だ。
また桃の花も見事だった。
見渡す限り、ピンクの絨毯!
12:46、日野春駅到着。
長閑な場所である。
タクシーで神代桜がある実相寺へ。
私は作家・林真理子先生のファンである。
林先生は山梨県のご出身。
ここぞとばかり、タクシーの運転手さんに林真理子先生情報を聞き出す。
そうそう、今日の道連れ本は「葡萄が目にしみる」。
私の心のバイブルである。
高校時代の実力テスト(現国)で、本書の一部が使用されていた。
「読みたい!」と思い、その日の帰りに本屋で買ったものだ。
もう何度も読み返しているのでボロボロになってしまった。
主人公・乃里子の視線を通して物語は展開するんだが、そのイケていない青春期を送った女子独特の考え方に、私はたまらなく共感してしまう。
作品の冒頭は、乃里子が種無し葡萄を作るために葡萄一房をジベ液に浸けるシーンから始まる。
運転手さんとジベ液について熱く語った。
地元の人曰く、葡萄は種があったほうが美味しいのだそうだ。
実相寺、到着。
駐車場には観光バスが何台も停車していた。
まずは、水仙と桜の夢のコラボレーション。
樹齢2000年の桜。
2000年…。
花は正直言って少しくすんでいたが、でも幹のあたりのゴツゴツした感じにとても惹かれた。
2000年も前から私を待っていてくれたの?
ありがとう。
そう勝手に解釈すると途端に愛しさを感じてしまう。
この桜はずっとここにいて、日本の歴史を見てきたんである。
これってスゴいことではないだろうか。
散り始めの桜。
花びらが薄紅色の風に変化を遂げる度に歓声が上がった。
恐らく今年最後の桜見物になるだろう。
もう何回も桜にさようならを繰り返しているのに、どうしてこんなに切なくなるのだろうか。
さくらアイスクリームを食べた。
甘くて切ない味がした。
桜の花びらが降ってきて、アイスクリームにぺたっと着いた。
風流なり。
観光客は主に関西から来ていた人が多かったような気がする(話言葉から推測)。
さっきの運転手さんとまた遭遇。駅まで乗せてもらう。
「母が一昨日栃木からこちらに来たみたいで。絶賛していたんで私も来たんですよ」
そう言うと、ミラー越しの運転手さんは目を細めて、
「そうですかぁ。また来てくださいね。それから、年配者の言うことは聞いておいた方がいいって分かったでしょ?」
と言った。
「また来ます。さようなら」
と言い、お金を払って下車した。
日野原駅の給水塔。
煉瓦作りのレトロな造り。
蒸気機関車を走っていた頃に使用されていたらしい。
甲府駅下車。
ヤニ切れ状態だったので、駅前のタリーズで一服。
レジで売っていたクマに一目惚れ。
だって、私の顔を見てアッピールしてるんだもの。
素通りできず。
即買い。
名前はモモ。
この旅のもう一つの目的は「ほうとう」を食べることだ。
駅前通の小作に入店。
メニューには「熊肉ほうとう 3000円」があったが…見なかったことにしよう。うん。
かぼちゃほうとうを注文。
かぼちゃ、芋、白菜、にんじん、うどん、それらが入った鉄鍋のほうとうはボリューム満点。
熱いので30分ほどかけて完食。
店員さんたちの勢いある声が絶えず店内にこだましていて、清々しかった。
タイミング良く、16:48発の「ホリデービュー快速やまなし号」に乗れた。
2階の席をゲット。
見晴らし、良好。
そうそう、これに乗りたかったのである。
新宿まで乗換えがないので楽チンであるし、2階席から見る景色も良い。
今年最後の桜を満喫できた小旅行だった。
日本三大桜の一つである。
三春の滝桜は小学校卒業した春に見た。
母が我々子供3人を連れていってくれたんである。
日本三大桜、二本目制覇!
あと一本は岐阜の淡墨桜だそうな。
新宿からひたすら西に向かう。
本当は「ホリデービュー快速やまなし号」に乗るはずだったのに、千葉で人身事故が起こり、高尾駅で小淵沢行きに乗り換えるコースになってしまった。
密かに楽しみにしていたので、軽く憤る。
しかし、車窓の美しさに私の機嫌もすぐに直った。
甲斐大和駅のホームに沿うように桜が咲いているのを見たから。
少しの時間、停車した。
時折、風に吹かれた花びらが車内に入り込む。
やがて電車はもっと山奥へ。
山々にぽつぽつと淡い薄紅の斑点が見える。
山桜だ。
なんて可憐なんだろう。
勝沼ぶどう郷駅を通過。
一昨年の春に、母と妹と一緒に泊まった「ぶどうの丘」も見えた。
あの日を懐かしく思う。
春の甲府盆地。
胎内回帰というのだろうか。
尾道でもそうなのだが、山に抱かれる地形にいるとひどく落ち着く。
特に山梨はTHE盆地。
遠くに霞む山々の縁が、水墨画のように淡いラインを描いていて綺麗だ。
また桃の花も見事だった。
見渡す限り、ピンクの絨毯!
12:46、日野春駅到着。
長閑な場所である。
タクシーで神代桜がある実相寺へ。
私は作家・林真理子先生のファンである。
林先生は山梨県のご出身。
ここぞとばかり、タクシーの運転手さんに林真理子先生情報を聞き出す。
そうそう、今日の道連れ本は「葡萄が目にしみる」。
私の心のバイブルである。
高校時代の実力テスト(現国)で、本書の一部が使用されていた。
「読みたい!」と思い、その日の帰りに本屋で買ったものだ。
もう何度も読み返しているのでボロボロになってしまった。
主人公・乃里子の視線を通して物語は展開するんだが、そのイケていない青春期を送った女子独特の考え方に、私はたまらなく共感してしまう。
作品の冒頭は、乃里子が種無し葡萄を作るために葡萄一房をジベ液に浸けるシーンから始まる。
運転手さんとジベ液について熱く語った。
地元の人曰く、葡萄は種があったほうが美味しいのだそうだ。
実相寺、到着。
駐車場には観光バスが何台も停車していた。
まずは、水仙と桜の夢のコラボレーション。
樹齢2000年の桜。
2000年…。
花は正直言って少しくすんでいたが、でも幹のあたりのゴツゴツした感じにとても惹かれた。
2000年も前から私を待っていてくれたの?
ありがとう。
そう勝手に解釈すると途端に愛しさを感じてしまう。
この桜はずっとここにいて、日本の歴史を見てきたんである。
これってスゴいことではないだろうか。
散り始めの桜。
花びらが薄紅色の風に変化を遂げる度に歓声が上がった。
恐らく今年最後の桜見物になるだろう。
もう何回も桜にさようならを繰り返しているのに、どうしてこんなに切なくなるのだろうか。
さくらアイスクリームを食べた。
甘くて切ない味がした。
桜の花びらが降ってきて、アイスクリームにぺたっと着いた。
風流なり。
観光客は主に関西から来ていた人が多かったような気がする(話言葉から推測)。
さっきの運転手さんとまた遭遇。駅まで乗せてもらう。
「母が一昨日栃木からこちらに来たみたいで。絶賛していたんで私も来たんですよ」
そう言うと、ミラー越しの運転手さんは目を細めて、
「そうですかぁ。また来てくださいね。それから、年配者の言うことは聞いておいた方がいいって分かったでしょ?」
と言った。
「また来ます。さようなら」
と言い、お金を払って下車した。
日野原駅の給水塔。
煉瓦作りのレトロな造り。
蒸気機関車を走っていた頃に使用されていたらしい。
甲府駅下車。
ヤニ切れ状態だったので、駅前のタリーズで一服。
レジで売っていたクマに一目惚れ。
だって、私の顔を見てアッピールしてるんだもの。
素通りできず。
即買い。
名前はモモ。
この旅のもう一つの目的は「ほうとう」を食べることだ。
駅前通の小作に入店。
メニューには「熊肉ほうとう 3000円」があったが…見なかったことにしよう。うん。
かぼちゃほうとうを注文。
かぼちゃ、芋、白菜、にんじん、うどん、それらが入った鉄鍋のほうとうはボリューム満点。
熱いので30分ほどかけて完食。
店員さんたちの勢いある声が絶えず店内にこだましていて、清々しかった。
タイミング良く、16:48発の「ホリデービュー快速やまなし号」に乗れた。
2階の席をゲット。
見晴らし、良好。
そうそう、これに乗りたかったのである。
新宿まで乗換えがないので楽チンであるし、2階席から見る景色も良い。
今年最後の桜を満喫できた小旅行だった。