気持ちを吐き出すこと

2005年09月22日 | 介護日記 -
ぽつり、ぽつりと・・・こぼした一言。
「昨夜は、せこかった(苦しかった)。もうあかんかと思うたわ」。

動きは、かなりゆっくりで、象か牛のようなペースだ。
相変わらず、「身体は重くて、だるくて、たまらない」ということらしい。


【今日の好転材料】
①大好きな姉(四国の実姉)に、電話をした。
 ※「おばちゃんも腰が痛くて、たまらん」って・・・言うとるよ。
   みんな大変やね。お父さんだけやないよ。
②ヘルパーさん二人が来てくれて、精神的に刺激になった。
 ※二人で話をしてくれて、(具合は悪いのに)しゃべりたおしたらしい。
③父の象足を、温浴でケアして、マッサージした。
 ※「気持ちがえぇなぁ」ということで、(二度もお湯を交換して)温浴に30分以上をかけた。

信頼している実姉の声を聞いたことは、“とても嬉しかった”みたいだ。
もし四国で滞在していたとしても、近くに住んでいるわけではないし、
頻繁に会えるわけでもないので、“離れて暮らしていることには変わりない”。
しかし、如何せん四国との距離感が、「離れている」という意識を増幅させていると思う。
それは、父にとって「寂しさ」を呼び覚ますことなんだ・・・。

「好きな人」「好きなこと」・・・・・
そういうものと接触することは、「生きる」ことに“前向きさをもたらす”と思われる。
「ぼろい身体で、辛いわぁ」「ほんまに、しんどいわぁ」と、信頼する姉にこぼしたことで、
父の気持ちは多少“楽になった”のかもしれない・・・。
自分の気持ちを“聴いて欲しい人”に聴いてもらうことで、(ほんの少しだろうが)気分転換にはなったのではないだろうか。
私自身もいつも感じることだが、「溜め込むのは良くない」。
吐き出せるときには、“吐き出す準備が整った”ということだろうから、
そういう時こそ「充分吐き出させてあげることが、大切かもしれない」。
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血に染まった「アンパン」

2005年09月22日 | 介護日記 -
我が家の朝は、早い。

今朝、すでに父は起きていた。
ふと見ると、食べかけのアンパンが散乱し、父の枕元は真っ赤に染まっていた。
とにかく、ビックリした。
咄嗟に「食道静脈瘤」かと思って、真っ青になったが・・・
「鼻血」だと確認して、ほっと胸をなでおろす。
   [※食道静脈瘤の場合は、命の危険が伴なう]
それだけ、血の量が多く、過去に流した鼻血の“数倍”だった。
かつて経験したことがないほどの規模だと思われる。
ベッドの脇まで、真っ赤に滴り落ちていた。
おそらく、本人もビックリしてしまったのではないだろうか。

私を見て、すでに起きていた父が涙ぐんだ。
複雑な感情が湧いてきたのだろう。
「身体は、動かない」というような状態で、じっとこちらに視線を投げていた。
失禁もしていたようで、一部分が濡れている。
相当に身体がだるい状態と思われ、しばし休ませて、ベッドメイキングをした。

今日は、ヘルパーさんの二日目。
今度は若い方がいらしてくださるとのことで、報告は受けていたが・・・
とにかく運動は控えてもらうようにお願いをして、明るい話題で盛り上げてもらうようにしよう。

父の精神状態が、せつない。
もしも、完全にボケて、わからなくなってしまっていたら、落ち込むこともないし、“自分を責める”こともないだろう・・・に。
非常に生真面目で、ガンコで、せっかちで、他人の影響を受けやすいから、余計に、“深海”まで落ち込んでしまうことがある。
言葉に発しないので、今日の“涙の意味”は分からないが、(これまでの経験からは)おそらく「つらい」「情けない」「申し訳ない」という想いがほとんどではないだろうか。

父は、基本的に「マイナス思考」をする人である。
自分でプラスに転化する術を知らないし、“そういうこと(マイナス思考をすること)”にも気がついていない(意識していないだろう)。
私にとっては、いつも反面教師となってくれ、様々なことを教えてくれている。
しかし、“父の想い”が楽になる“特効薬”は、なかなか簡単に見つからない。
だから今は・・・・・その都度、その都度、湧いてきた“マイナスの思考”を、“違う方向に導いてあげる”ことぐらいしか出来ていない。

これから来てくれるヘルパーさんが、明るい人だといいなぁ。
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