頑固爺の言いたい放題

森羅万象なんでもござれ、面白い話題を拾ってレポートします。

序文

2010-08-12 10:24:09 | メモ帳

♪金鴉輝く日本の…
 紀元二千六百年、
 あぁ一億の胸は鳴る

この歌を覚えている方(多分昭和10年以前の生まれの方)は、これが神武天皇即位から2600年(昭和15年)を記念するものだったことをご存知のはずだ。

当時、私が見た世界地図では、日本列島、朝鮮半島、樺太の南半分、千島列島、台湾、そして太平洋の三分の一は赤く塗られていた。私は国民学校入学の直前だったが、この歌を歌い、数々の神話を絵本で学び、そして地図を見て心を躍らせ、日本帝国に誇りを抱いた。私は、父が軍人であったこともあり、日本が万世一系の天皇を頂く神の国であるという皇国史観にしっかり染まった軍国少年だったのである。

そして敗戦。中学に入って習った日本史では、神武・スイゼイ・アンネイ・イトク・コウショウ・コウアン・コウレイと続く歴代の天皇は消されてしまった。戦争に負けると歴史も変わるのか。どこまでが捏造で、どこからが真実なんだ?! 

この疑問は喉に刺さった魚の小骨のように長らく残っていたが、引退後この小骨を取り除く作業を始めた。古代史の勉強である。 この2年、日本の古代史に関する研究書を読み漁ったが、古代史は謎に満ちていることを知った。すべての出来事に関して著者の意見がまちまちで、どれが正しいのかわからない。例えば、邪馬台国の場所でも、北九州説、畿内説から、奄美大島説、四国説などなど。真実は一つしかないのだが...。

そこでテーマごとに諸説を簡単にまとめておくことにした。それがこの「古代史雑記帳」である。

ところで、最近の中学の歴史教科書(注)を読んでみて、私が学んだ日本史とは多少違うことに気付いた。それは神話として、天照大神と大国主命が登場すること。現代の出雲大社が国譲り神話の証左として説明されている。60年前の教科書には神話は完全に抹殺されていたと記憶する

神話は物語の捏造ではなく、かなり史実を反映したものであるはずだ。敗戦直後の教科書は神話に拒絶反応を起こしたが、最近はやっとあるべき姿に近づいたようだ。

歴史は時代とともに変化するということだろう。

 (注) 最近読んだ教科書とは、「新編 新しい歴史教科書」平成21年4月、株式会社自由社発行のもの。日教組が排斥しているため、採用校が非常に少ないと報道されている。