頑固爺の言いたい放題

森羅万象なんでもござれ、面白い話題を拾ってレポートします。

四方山話 in Guam

2013-10-23 17:37:48 | メモ帳

グアムはハワイの二番煎じの田舎リゾート地だろうとバカにして、これまで行ったことがなかった。しかし、飛行時間が3時間半と短い(だから航空賃が安い)ことと、時差が1時間しかないことは年寄りには有難い。そこで、何十年もの昔に何度か行ったことがあるというワイフの、センチメンタルジャーニーに付き合うことにした。行ってみると、景色はいいし、ホテルの設備はハワイ並みだし、ラスベガス式ショウもあり、予想外に楽しめた。

 ●チップ

グアムのPrego(ロサンゼルスが本店の高級イタリアン)で食事したら、勘定書にサービス料が10%加算されていた。日本でもホテル内のレストランなどでは10%のサービス料を加えるから、当たり前と言えば当たり前。

 しかし、私には違和感があった。本土(ハワイ含む、以下同様)ではチップは15%と相場が決まっているが(NYは20%)、グアムでは10%と低いのか。本土では白人には勘定書にチップを加えず金額は客に任せるにもかかわらず、チップを忘れがちな日本人には勝手に加算するから、グアムでも同じことをやっているのか。さらに本土では、15%を加えて、さらにその下に「追加チップ」という欄がある店もあるから、この店ではとりあえず10%という低目のチップで客に好感を与えて、追加のチップで10%程度をもらおうという算段か。

 いろいろと思いをめぐらしたが、これは考えすぎだった。後日、グアム在住の友人に聞いてみると、チップの相場は10%で、請求書に加算してあることもあるが、加算されてなければ10%加えるのが習慣だから、難しく考える必要はないとのことだった。

 さて、本土ではホテルの送迎車に乗った時とか、プールサイドでビーチタオルを借りた時とか、タクシーを呼んでもらった時など、正規には請求されない労働の提供を受けたときはチップを払うのが不文律である。All You Can Eat (食べ放題)のレストランでは、食事代に対するチップは不要だが、食器を下げるサーバーに1~2ドルのチップを渡す人が多い。

 しかし、グアムではこのようなチップを払う人(少なくとも東洋人)はいない。私は2日目まではアメリカ式にチップを払っていたが、3日目からはバカバカしくなって、枕代以外のチップは払うのをやめた。グアムは行政上は米国領だが、チップに関しては東洋である。

 ●免税店

一般的に、免税店(Duty Free Shop—DFS) とは、国外旅行者の買い物に対し、輸入税・消費税などが免除されている店で、買い物の際に航空券の提示を求められるのが通例である。ところが、グアムの繁華街にあるDFSギャラリーでは航空券もパスポートも不要。だから、土地の人も来るらしい。

 一方、グアムでは消費税がない*。だれでもDFSで買い物できる理由は消費税がないからか? 一般の小売店と同じなら、免税をウリにするのはヘンではないか。われわれはウインドウショッピングだけで何も買わなかったからどうでもいいが、割り切れない話だ。それに輸入税(関税)部分はどうなってるんだ?

 ついでに免税店の曖昧さについて触れておきたい。そもそも免税店では本当に非免税店よりも安いのだろうか。免税店で免税価格と税込価格が併記されていることはないから、比較の手段がない。免税店の買い物客は「免税分だけ安いはずだ」と思っているだけではないのか。買い物も海外旅行の楽しみの一つだから、それで楽しければいいことだが。

 ㊟ 後日聞いたところでは、グアムでは4%の地方税があり、価格に含まれているということだった。

●レストランでの服装

アメリカ人は、リゾート地で昼間はゾーリにTシャツでも、高級レストランにディナーに行くときは、それなりの服装をする。確かに、その方がバケーションにメリハリがあって、多彩に時を過ごしている気分になる。特にご婦人方にとっては、着飾ってディナーに出かけるのはバケーションの楽しみの一つだ。男性も店の華やかな雰囲気に合わせる服装をするのがマナーというもの。

 ところが、グアムのヒルトンホテルにあるRoy’s(ハワイ料理の高級チェーン店)では、ゾーリに短パンといういで立ちで、袖なしのシャツから腕の刺青をこれみよがしに見せている若者がいた。聞き耳を立てると、どうも韓国人らしい。優雅なムードをぶち壊しているのが、当人にはわからないようだ。これがハワイのRoy’sだったら、周囲のアメリカ人に白い眼で見られたことだろう。

 しかし、考えてみれば欧米人がいないリゾートでは、東洋式マナー(?)でいいのかも知れぬ。

 ●食べ残し

宿泊したハイアットホテルの朝食が無料バイキングで、パックツアーの代金に含まれていた。われわれのJALパックだけかと思っていたら、韓国にも同じようなシステムがあるらしく、客の大半が韓国人。彼らは日本人以上にスマホ依存症で、新婚らしきカップルが口もきかずに、お互いにスマホに夢中なのは異様だった。私のスマホはグアムでは開かなかったが、彼らのスマホはどういう仕掛けなんだろう*。

 その韓国人カップルが食事を済ませたあとのテーブルを見てビックリ仰天。皿に大量の食べ残しがあるのだ。トーストブレッドが3枚も積み重ねてあるし、ベーコンが山盛りになっている。食べ残しというより、最初から食べる気がなかったと思われる量だ。

 「いくらなんでも、あれはヒドイね」と私はつぶやいたが、ワイフの意見は違った。「韓国人は招待されると、食べ残すのが礼儀だっていうじゃない。ここでもそれをやってるのよ」

 きれいに平らげると「もっと食べたい」という意思表示になるので、少しだけ残すのが韓国のマナーだという話は私も聞いたことがある。それにしても、彼らは大量の食べ残しがグローバルスタンダードだと思っているのだろうか。食器を下げるウェートレスはどう思うだろう。「アイツらは韓国人で、我々は日本人だからね」と叫びたい気分だった。

 ●島の住民

観光バスのガイドさんによれば、島の住民の40%はチャモロ族などのポリネシア系で、25%はフィリッピン系、残りは韓国人、中国人、白人、日本人(数はこの順)。繁華街を歩いている人の90%が韓国人・日本人・中国人のミックス。グアムには米軍が駐留しているから軍人とその家族がもっと目についてもよさそうなものだが、白人をほとんど見かけないのは意外だ。グアムはアメリカを感じさせないアメリカである。

 十分に楽しんだバケーションだが、心残りは雨季だったためにホテルの正面の水平線に沈む夕日を見ることができなかったこと。次回の楽しみにしておく。

 *(注):帰国後調べたら、私のスマホでも特別料金さえ払えば、海外で開けることがわかった。韓国人たちは出発前に特別料金を払ったのだろう。しかし、特別料金(かなり高い)を払ってまで、海外で動画やコミックを見たいのだろうか。人さまざまだと改めて感心。