頑固爺の言いたい放題

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地域振興商品券は地域経済を活性化させるか

2013-12-03 17:51:25 | メモ帳

私が住む湯河原町では、昨年から「湯河原温泉地域商品券」を販売している。5百円の金券が11枚綴りになったものが10冊で5万円。つまり、5万円を払うと5万5千円の支出が可能になる。なお、一度に購入できるのは5万円ぶんだけ。湯河原町商工会議所に加盟している温泉旅館、小売店、飲食店、サービス業(タクシー、クリーニング店など)で使用できる。

 私も今年4月の売り出しの時は5万円分を購入し、飲食店、酒屋、コンビニ(タバコ・週刊誌)で使用した。ところが、最近の発売では、翌日に買いにいったら、すでに売り切れだった。町のミニコミ紙によれば、発売後1時間で売り切れたという。販売総額は2千万円というから、400人が買ったことになるが、購入した人は全員が町の在住者だろう。

 酒屋で聞いたところでは、このプログラムへの参加費用はゼロで、商品券を町役場に持参すると額面通りの現金をくれるという。つまり、参加店の懐は痛まない。このプログラムに参加していない店もあるから、参加店は非参加店の商売を奪うことになる。それでも参加していない店があるが、酒屋のおかみさんは「面倒なんじゃないですか」という。常に予約だけで満席になっている飲食店は参加しないだろうが、そんな店はない。

 では、この商品券は湯河原の経済を本当に活性化するだろうか。

 私の場合は、この地域商品券がなくても、同じ買い物をしたと思う。焼酎を買い溜めしたが、それは需要の先食いでしかない。ほかの消費者も私と同様だろう。つまり、湯河原在住者だけが購入している限り、需要の創造にはつながらない。

 町が予算を増やしたらどうなるか。

 熱海に自宅があり湯河原に通勤している人がこの商品券を購入し、帰宅の途中に湯河原で買いものをすれば、町の商店を潤すことになるが、スーパーマーケットは参加してないから、買い物のアイテムがごく限られている。

 観光客は宿泊賃や土産物代に使えるが、5万円を先に支出することはかなりの負担になる。そもそも、この商品券があることが湯河原温泉に来る動機になるとは思えない。

 したがって、たとえ予算を増やしても効果は限定的である。

 1割引の原資は税金だから、このプログラムを利用しない消費者は、費用を負担しながら、恩恵にあずかれないことになる。言い換えると、5万円先払いする余裕がない消費者は損をするわけだ。もっとも、それで不平は出ていないようだが。

 結論として、湯河原町の町長と担当者は、完売のたびに「ヤッタ!」と喜んでいるだろうが、湯河原町は発売のたびに2百万円プラス商品券の発行費用と配布費用を損していると思う。費用対効果という観点から見て、愚策であると言わざるをえない。