Saitolab 「なにもせんほうがええ」

婚しては妻に従い ボケては猫に従う

こういう宇宙

2014年12月12日 | 書籍・映画・音楽
学生時代の1980年代当時、小松左京、筒井康隆と大藪春彦wの文庫本はその全てを読破したと自負している。まあ大藪さんは青春の通過儀礼、風疹みたいなもので笑って見過ごして欲しい。それから35年、いまでも安部公房や開高健、宮澤賢治の再読は続いているけれど小松左京のSSは別格に惚れている。なかでも「おえらびください」は一番好きな作品。次に好きなのは「こういう宇宙」。作品としての出来はそれほどでもないが銀座のクラブが土星の第五衛星レアに繋がる件(くだり)の描写が好きで学生の頃は何度も読み返していた。久しぶりに読みたくなり帰省の際に親に文庫本のありかを尋ねるとモゴモゴと口ごもり的を得ない。多分全部棄てられたのだろう。小松の文庫は全て廃刊となり再読を諦めていた矢先、大通りから札幌に繋がる地下道の出店古本屋で文庫本を見つける。1冊100円也。作品を30年ぶりに読み返すうちに気分は高校生へと引き戻される。人間それぞれの気性性格は10歳で決まるというけれど、読んでいる間は完全に高校生の自分に戻る。中学生から始めた文庫本の乱読は悪くなかったと思う。
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