毎年、ひな祭りに妻は雛あられが欲しいと騒ぐ。そんなものいつでも買って食べてくださいと思っていた。でも、この歳になってちょっとわかってきたことがある。妻は雛あられが欲しいわけではなくお祝いしてほしいという潜在的な願望がひめられているようだ。そこで雛飾りはないけれど雛あられとイタトマのケーキでささやかなお祝い。そういえば夕飯ではあさりの潮汁(うしおじる)が出ていた。男子は端午の節句なんてまったく興味なく無頓着なのだけれど。思うにひな祭りは今でいう女子会みたいなものか。男子も御呼ばれしたりしてはいたが。ところで件の“雛あられ”だが関東と関西で違いがあるらしい。イメージするあられが見つからず苦労して買い求めたぼんちあられを持ち帰るもこれは雛あられぢゃないと言われてしまった。関西では丸いころころしたあられに赤や緑の色が賑やか。そして子供の頃はレアに混入されているチョココーティングを血眼になって探したものだ。しかし関東ではポン菓子のようなあられが一般的らしい。ついでに言うなら菱餅を模した砂糖菓子もあった。これがまた固くて全然おいしくないのだ。甘酒にしても沈殿物を割りばしでかき混ぜて飲むとか言われても美味しくない。これなら5月節句のちまきや柏餅のほうがよっぽどいいやと思った小学生時代。
雛あられの違い
雛あられの違い