
PENTAXのステレオアダプターを入手した。画面を左右に二分割して立体写真が撮れるアダプター。立体写真に興味をもったのは学生時代。安部公房の小説「方舟さくら丸」の主人公に航空写真立体視の趣味があり小説にも並行法の白黒航空写真が掲示されていた。この航空写真が立体像となった瞬間の感動はいまも忘れることができない。本の項のうえに突如として超精密な地形模型が出現した驚き。山肌の針葉樹のテクスチャーや渓谷の落ち込み、村に建つ鉄塔は目に刺さらんばかりに聳えていた。それ以来、自分でも機会を見つけてはステレオ写真を撮影してきた.。ステレオ写真専用のデジカメも入手した。その流れで今回のアダプター精進となった。PENTAXのアダプターなので撮影にはボディーもPENTAXを選びたかったが取り付けるレンズ径が52mm。PENTAXレンズのフィルター径は49mmが多いのだ。そこでニコンの標準レンズフィルター径が52mmだったのでこれで試写してみた。ベランダに出て逆光気味に2-3枚。PCで撮影画像を再生してフレアに驚く。調べてみるとアダプター内部の内面反射が酷かった。このアダプターは長年販売されているが誰からも文句は出なかったのかしら。そもそも真面目にステレオ写真を撮るような人はいなかったということか。これでは使い物にならないとカメラ修理のお道具箱から1.5mm厚のモルトプレーンのシートを取り出す。アダプターの光路の形状を図面に起こしてそれを型紙にモルトを切り出す。アダプター内部のミラー以外の壁を全てモルト貼りにする。ついでの勢いで49mm-52mmのステップアップリングも注文しておく。これで方舟出航の準備は整った。
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