5日~7日まで熱海で開催された「地方財政分析研修」に行ってまいりました。この2週間、行政視察の2日間を含め家を5日間も空け、家族(妻)には、いつも感謝しっぱなしです。
さて、1月末に行政視察で千葉市で進んでいるガバメント2.0の取り組みと平塚市の企業が開発した「油化装置」を調査してきました。
千葉市のガバメント2.0の取り組みはNHKでも取り上げられて有名な政策として各地から視察が相次いでいます。今流行になっているスマートホンを活用して市民から公共施設などの不具合カ所を画像で送ってもらう取り組みです。昨年は実験でしたが、今年中にアプリ開発や登録の仕組みなどを構築し本格的な稼働を目指しているとのことでした。
市民との情報共有が叫ばれる中、ガバメント2.0の取り組みは、一つの市民と行政の「情報共有のあり方」を示しています。
さて、平塚市の油化装置については、こちらも民間放送の「夢の扉」などの番組で紹介されたものです。
三田市では、十数年後には新たなごみ処理施設の建設に取り組まなければならなくなります。
わが会派(新政みらい)では、これまで、三豊市のトンネルコンポスト(ごみを燃やさずに肥料と固形燃料にする装置)を視察し、三田市の環境部局へも視察報告をさせていただいていますが、今回の油化装置は、ごみの減量を目指し、ごみ処理施設の規模を縮小できるメリットがあるものとして期待ができる装置ではないかと実感しました。
その視察概要と何故メリットがあるのかを報告します。
視察日は、1月31日(金)午前9時30分~正午直前まで。大変お忙しいにも関わらず、装置を開発した株式会社ブレスト社の社長伊東昭典氏と営業部長の滝沢誠氏が対応をしてくださいました。
伊東社長は、これまでも小学校などでこの油化装置の小型版(卓上油化装置)を持参して環境教育に力を入れている人物でもあります。
上記が卓上油化装置
上記写真で社長が持っている袋に入っているのが、買い物に行くと必ずついてくるプラ製品です。この袋は、約1キログラムあり、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)の3種類のプラ容器(袋)が混ざり合っています。(ただし、綺麗に水洗いしています)
この3種類のプラスチックに熱を加え生成油を取り出す装置を開発したのが、この企業です。生成油は、ガソリン、軽油、重油が混ざった混合油(特にPPとPEを油化した場合)を取り出すことが可能です。
実際にこの日は、卓上装置を最初の写真のように見せていただき実際の油もとりだしました。
また、この会社では、海外向けの大型装置を輸出しています。
大型の油化装置から出てくる混合油は、新たな電力を造り出す発電機の燃料に使われています。装置の導入を決めた国では、ごみから電気エネルギーを生むことが出来るので、エネルギーや環境問題解決のために装置の導入が進んでいるのではないかと思われます。
上記はその発電機です。混合油をそのまま発電機に使える代物です。
気になるのは、性能とコストですが、廃プラ1キログラムから1リットルの混合油が取り出せ、この混合油は、3,4kwhの発電をします。
トータル的なエネルギーは、1リットルの混合油を抽出するのに1,2kwhが使用されますので、実質は、2,2kwhが別の用途に使えますので、油化するのに膨大なエネルギーが消費されるものではありません。
この装置は、先ほど述べたように環境破壊やエネルギー問題に関心ある国々へ導入が進んでいますが、今の日本国内の導入事例はありません。それは、自治体の多くのごみ処理が焼却を進めていることが要因です。また、廃プラスチックにしても分別を進めている自治体にとっては、分別はしているもののこれが再資源化できているのは、ペットボトルや発泡スチロール以外には、溶鉱炉などの燃料などになっているため、「環境にやさしい」とまでは言えないような分別方法です。
また、ごみ焼却している自治体の多くが、焼却熱をボイラにより熱転換させ蒸気の力で発電しているところが多くなってきていますが、熱効率は必ずしも良いとは言えません。
今回の分別は、多くのプラごみのうちPPとPEが中心となりますし、汚れ過ぎたプラ容器やPPやPE、PS以外のプラスチック容器は、やはり焼却し熱回収する方がベストな処理方法と言うことになりそうです。
資源化を目指すならば、分別の目的がはっきりしており、市民にも納得できる方法が好ましいことは言うまでもありません。
画像は、PP製品、これをご覧になっている方はどう思われますか?家庭ごみの中からPP,PEを分別するのは、そんなに難しい作業ではないと思いませんか。これらの外装容器は、ほとんど汚れもなく、水洗いする必要がありません。
三田市でこれらの取り組を進める場合は、プラスチック資源ごみを別途回収する必要が出てきます。また、新たなごみ処理装置が「焼却」する方向で行くのであれば、家庭ごみからPPやPEがどれくらい抜き出せるのかによって油化装置の規模を決め、ごみ焼却炉の規模、搬送コストなども含めてトータル的に考える必要があると思いますが、造り出した油は発電に回すことで、地域から生まれるエネルギーとして活用できるのではないかとその可能性に魅力を感じてしまいました。
長時間に渡り熱弁をいただいた社長、そして現場を案内していただいた部長さんに感謝申し上げます。
なお、今回当時お会いできませんでしたが、メールなどで視察日程調整をさせていただいた青山部長へも本ブログをお借りして感謝申し上げます。
さて、1月末に行政視察で千葉市で進んでいるガバメント2.0の取り組みと平塚市の企業が開発した「油化装置」を調査してきました。
千葉市のガバメント2.0の取り組みはNHKでも取り上げられて有名な政策として各地から視察が相次いでいます。今流行になっているスマートホンを活用して市民から公共施設などの不具合カ所を画像で送ってもらう取り組みです。昨年は実験でしたが、今年中にアプリ開発や登録の仕組みなどを構築し本格的な稼働を目指しているとのことでした。
市民との情報共有が叫ばれる中、ガバメント2.0の取り組みは、一つの市民と行政の「情報共有のあり方」を示しています。
さて、平塚市の油化装置については、こちらも民間放送の「夢の扉」などの番組で紹介されたものです。
三田市では、十数年後には新たなごみ処理施設の建設に取り組まなければならなくなります。
わが会派(新政みらい)では、これまで、三豊市のトンネルコンポスト(ごみを燃やさずに肥料と固形燃料にする装置)を視察し、三田市の環境部局へも視察報告をさせていただいていますが、今回の油化装置は、ごみの減量を目指し、ごみ処理施設の規模を縮小できるメリットがあるものとして期待ができる装置ではないかと実感しました。
その視察概要と何故メリットがあるのかを報告します。
視察日は、1月31日(金)午前9時30分~正午直前まで。大変お忙しいにも関わらず、装置を開発した株式会社ブレスト社の社長伊東昭典氏と営業部長の滝沢誠氏が対応をしてくださいました。
伊東社長は、これまでも小学校などでこの油化装置の小型版(卓上油化装置)を持参して環境教育に力を入れている人物でもあります。
上記が卓上油化装置
上記写真で社長が持っている袋に入っているのが、買い物に行くと必ずついてくるプラ製品です。この袋は、約1キログラムあり、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)の3種類のプラ容器(袋)が混ざり合っています。(ただし、綺麗に水洗いしています)
この3種類のプラスチックに熱を加え生成油を取り出す装置を開発したのが、この企業です。生成油は、ガソリン、軽油、重油が混ざった混合油(特にPPとPEを油化した場合)を取り出すことが可能です。
実際にこの日は、卓上装置を最初の写真のように見せていただき実際の油もとりだしました。
また、この会社では、海外向けの大型装置を輸出しています。
大型の油化装置から出てくる混合油は、新たな電力を造り出す発電機の燃料に使われています。装置の導入を決めた国では、ごみから電気エネルギーを生むことが出来るので、エネルギーや環境問題解決のために装置の導入が進んでいるのではないかと思われます。
上記はその発電機です。混合油をそのまま発電機に使える代物です。
気になるのは、性能とコストですが、廃プラ1キログラムから1リットルの混合油が取り出せ、この混合油は、3,4kwhの発電をします。
トータル的なエネルギーは、1リットルの混合油を抽出するのに1,2kwhが使用されますので、実質は、2,2kwhが別の用途に使えますので、油化するのに膨大なエネルギーが消費されるものではありません。
この装置は、先ほど述べたように環境破壊やエネルギー問題に関心ある国々へ導入が進んでいますが、今の日本国内の導入事例はありません。それは、自治体の多くのごみ処理が焼却を進めていることが要因です。また、廃プラスチックにしても分別を進めている自治体にとっては、分別はしているもののこれが再資源化できているのは、ペットボトルや発泡スチロール以外には、溶鉱炉などの燃料などになっているため、「環境にやさしい」とまでは言えないような分別方法です。
また、ごみ焼却している自治体の多くが、焼却熱をボイラにより熱転換させ蒸気の力で発電しているところが多くなってきていますが、熱効率は必ずしも良いとは言えません。
今回の分別は、多くのプラごみのうちPPとPEが中心となりますし、汚れ過ぎたプラ容器やPPやPE、PS以外のプラスチック容器は、やはり焼却し熱回収する方がベストな処理方法と言うことになりそうです。
資源化を目指すならば、分別の目的がはっきりしており、市民にも納得できる方法が好ましいことは言うまでもありません。
画像は、PP製品、これをご覧になっている方はどう思われますか?家庭ごみの中からPP,PEを分別するのは、そんなに難しい作業ではないと思いませんか。これらの外装容器は、ほとんど汚れもなく、水洗いする必要がありません。
三田市でこれらの取り組を進める場合は、プラスチック資源ごみを別途回収する必要が出てきます。また、新たなごみ処理装置が「焼却」する方向で行くのであれば、家庭ごみからPPやPEがどれくらい抜き出せるのかによって油化装置の規模を決め、ごみ焼却炉の規模、搬送コストなども含めてトータル的に考える必要があると思いますが、造り出した油は発電に回すことで、地域から生まれるエネルギーとして活用できるのではないかとその可能性に魅力を感じてしまいました。
長時間に渡り熱弁をいただいた社長、そして現場を案内していただいた部長さんに感謝申し上げます。
なお、今回当時お会いできませんでしたが、メールなどで視察日程調整をさせていただいた青山部長へも本ブログをお借りして感謝申し上げます。