老犬と暮らす

　我が家には、間もなく１５歳を迎える老犬がいます。同じ地域の方から譲り受けた「パピヨン」です。
　何匹か生まれたばかりの子犬の中から一番元気な子犬をもらって来たと聞いています。
　名前は「りき」と娘がつけました。漢字で書くと「力」となります。名前から容易にオスであることが分りますよね。
　
　さて、今は老いて動きも緩慢ですが、流石に若い頃は、狩猟犬だけあって家の庭の樹に小鳥が止まったのを見てジャンプする、吠えるなどでうるさい犬でした。
　玄関の呼び鈴にも反応し、近所迷惑だったと思います。犬の指導所にも通わせましたが、効果はあまりありませんでした。
　飼い主の指導（躾）が甘かったのかもしれません。
　オジーちゃんと散歩中に目の前に現れた人の靴に噛みついたこともあり、結構迷惑をかけていた犬でした。
　そんな彼もさすがに老いが襲い掛かっています。
　食欲は、ありますが、歯がかなり抜け落ちています。時間をかけて食べさせていますが、認知症になっていると思います。
　起きているときは、常に右に回っています。散歩に出る時は、リードをして出ますので、リードが捻じれないようにこちらがが捻じれを戻しながら散歩しています。
　今は、ケージの中の生活となってしまいました。排泄物は、ペットシートが中心です。
　夜中に吠え出すこともあり、妻と私が夜中に様子を見に行き、水を飲ませて落ちつかせている状況です。　
　今思えば、娘たちの成長と共に彼も成長してきました。日本海の海岸で遊ばせたこともありました。
　そう考えると彼も我が家の立派な家族です。
　もうしばらく、このような彼との暮らしが続きます。
　

生きている限り・・・

　退職してから1か月が過ぎました。
　16日は、ハローワークでの失業手当申請の手続きを行いました。例にもれず、ハローワークの窓口では、コロナ感染防止対策のためにビニールシートが受付に設置されています。
　説明される側（つまり私）は、下の隙間から資料をみることになります。これが意外と見ずらい・・・。
　また、数日前には、年金申請資料が届きました。分厚い資料、簡単に目を通しましたが、何だかややこしそうです。
　年金生活をしている方は、この資料申請手続きを行っているのですよね。誕生日を過ぎると申請できると記載されていましたが、もうすぐそこ・・・。気が重たい・・・。

　さて、午後には兼ねてから気になっていた知人のご自宅へ・・・。奥様が表で畑作業されていました。
　「お久しぶりです。ご主人さまは、お元気ですか？」
　「あら！久しぶり！・・・ちょうど会いたいと思っていたのよ。夫は、6月中旬に亡くなったの・・・」
　聞けば、眠るように亡くなったとか・・。亡くなる直前まで言葉を交わしていたようです。
　「今でも夫が亡くなったとは思えなくて・・・。でもいい写真なのよ。是非、手を合わせてください」
　居間に通されお骨箱が置かれている仏壇と遺影に手を合わさせてもらいました。本当に在りし日の姿がそのまま、笑顔の良いお写真でした。　

　私の父も９０歳を超え、今尼崎の妹宅で暮らしています。先日から経口食が取れなくなり、点滴で命をつないでいます。
　15日には、尼崎へ行き、父にも会いました。意識は、何とかあり、こちらの問いには、手を挙げるなど反応があります。
　三田で過ごしていた知人に会いたいらしい・・・。8月にでも我が家に連れてきたいと計画していますが、それまで命をつないでほしいと思います。
　人には、それぞれの亡くなり方があります。自分の場合の死に方は、どうしましょう。一人で・・・。妻に看取られて・・・。いや大勢の方に見守られる中で・・・。
　いろんな場面が考えられますが、長生きすればするほど、「さよなら」を言う人数は減っていそうです。