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これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

職業病

2009年09月06日 20時52分55秒 | エッセイ
 私には、教員ならではの奇妙な習性がある。
 たとえば、ブログのアクセス数をチェックするときだ。もし、「訪問者数 120IP」だったら、1クラス30名という単位で換算する。「今日は、4クラス分」というように、クラス単位で具体的人数をイメージする癖がある。
 決して、数字の上でのアクセス数は多くない。しかし、4クラス全員が見に来てくれたと思えば、とてつもなくありがたい。感謝感激雨あられで、一人ひとりと握手したい気分になる。
 いわば、一種の職業病なのだろう。
 話が長いというのも特徴だ。一般に、教員は話好きの者が多い。以前、「15分間で勤務校の生活指導について説明してください」という場を与えられ、保護者を相手に話したことがあった。自分としては、「少しオーバーしたかもしれない」程度の認識だったが、実際には25分かかったそうだ。
 友人の結婚式でスピーチを頼まれたときも、やや長めになってしまったし、エッセイ教室でも、ついいらぬことまでしゃべってしまう。

 相手の間違いを指摘せずにはいられないという性質もある。これは、生徒のテストや課題などを採点するとき、誤字脱字をチェックし訂正させるからだろう。
 先日、amebaブログの日記「うつろひ」に、自称「社長」の男性がやってきた。プロフィール欄をのぞいてみると、「何フェチ?」という項目に「臭い」と回答していたのでギョッとした。
「臭い」というのは、くさく感じる悪いにおいのことである。まさか「悪臭フェチ」の人がいるとは思えない。ドブのにおいが好きですとか、腐った魚のにおいに惹かれますなどという話は聞いたこともない。
 これに対して「匂い」は、いいにおいを表すので、単純な誤りだろう。だが、どうにも気になってしまい、やり過ごすことができなかった。
 余計なお世話と思いつつ、私はその社長にメッセージを送った。
「失礼ですが、『臭い』フェチではなく、『匂い』フェチのお間違いではありませんか?」
 受け取った側は、さぞやビックリしただろう。日頃、交流のない人から、いきなり「字が間違っている」と言われたのだ。特に男性は、女性からミスを指摘されると、素直に受け入れられない傾向が見られる。気を悪くするかもしれないが、それはそれで仕方ない。
 意に反して、10分後、社長から返信がきた。
「メッセージありがとうございました。早速訂正しました。また遊びに来てください」
 許容範囲の広さに、本物の社長なのだろうと察した。

 やたらと誤字の多い友人もいる。日記を読み、最初のうちは「○行目の××という字が間違っているから直しなよ」と連絡していた。だが、毎回毎回どこかしらミスがあるので、いちいち指摘するのが面倒になり、今ではスルーを決め込んでいる。

 どうも、中途半端な職業病だな……。



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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (22)
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