これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

貧しい朝

2009年12月20日 20時13分55秒 | エッセイ
 日曜日だけは、娘の部活が休みなので、ゆっくり寝ていられる。
 今日は起きたら8時を回っていた。夫はすでに出かけたあとで、娘はまだフガフガ眠っている。
 私は布団から抜け出して、朝食の準備に取り掛かった。
「玉子サンドにしようかな」と思ったが、小さなクリームパンしかない。
「明太子のおにぎりを作ろうかな」と冷凍庫を開けたけれども、ご飯も残っていない。
 運悪く、コーンフレークも切らしている。

 さてさて、何にしよう??

 戸棚を探してみたら、稲庭うどんの乾麺が大量に見つかった。これを食べるしかなさそうだ。
 だが、よく見たら、めんつゆがない……。
 スパゲッティとパスタソースはあるが、昨日の夕食はカルボナーラだった。さすがに連続はイヤだ。
 八方ふさがりである。
 時間はかかるけれども、急いでご飯を炊くか、それとも寒さを堪えて、コンビニまでパンを買いに走るか。選択肢はそれくらいだろう。
 悩んでいると、娘のミキが起きてきた。
「おはよう、お腹すいた。朝ごはん何?」
 ミキの胃袋は、ご飯が炊き上がるまで待てそうもない……。仕方ない、コンビニだと思ったときだ。私は食べたかったものを思い出した。
「あっ、そうだ。肉まん食べたくない?」
「肉まん? うん、食べたい、食べたい」
 このところ、やたらと寒い日が続いており、私は何年も食べていない肉まんが恋しかった。
「じゃあさ、着替えたら買ってきてよ」
「……ミキが買ってくるの?」
「えー、だってお母さんは、これから準備があるから、出かけてたら遅くなっちゃうでしょっ」
 うまいことを言って娘に500円玉を押し付け、「肉まんとピザまんね」と言いつけた。
「じゃあ、ミキは肉まんとあんまんにする」
 娘が買いに行っている間、私は申し訳程度の野菜スープを作って待つ。
 10分後には、ホカホカの肉まんとピザまんが食卓にやってきた。
「いただきまーす!」
 セブンイレブンでは、中村屋の中華まんを販売しているらしい。
 私は、横浜中華街で売られているような、肉たっぷりの豚まんは苦手だ。肉はちょっとでいいから、胃にもたれないものがいい。
「美味しい♪」
 ミキも喜んで食べていた。ピザまんを食べたことがないと言っていたので、ミキのあんまんと、私のピザまんを半分こにして交換した。ピザまんは昔と変わらない味だったが、あんまんは胡麻の風味が香ばしく、進化したような気がする。
 食べものがない貧しい朝から、一転して、幸せな朝食が楽しめた。

 インターネットを見ると、ファミリーマートの肉まんが、なかなか魅力的に映る。



 中華まんの食べ比べも悪くないけれど、問題は誰が買いに行くかである。
 自分が出かけるのは面倒だ。
 それなら、稲庭うどんに醤油をかけて食べるほうを選ぶだろうな。



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コメント (18)
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