合同句集『なめがた』を読んだ。
これは、茨城県行方(なめがた)市在住の俳人39名による、約2100もの俳句を刊行したものである。
俳句はいい。わずか17字で、季節感あふれる情景が映像のように広がり、感嘆したり笑ったりと、心を動かされるのだ。
ここでは、たくさんの句の中から、季節ごとのお気に入りを選んでみた。
春
「ねぎぼうず教え子の顔畑いっぱい」 瀬尾清子さん
この方も、教員だったのだろうか。
ねぎぼうずを見ると、バリカンで刈り上げた、いがぐり頭の男子とダブるようである。
こちらの勤務校で、坊主頭の生徒は野球部くらいだ。ねぎぼうずとはリンクしない。
どちらかといえば、私はトウモロコシの毛に反応する……。
夏
「裸婦像へ冷房直にあたりけり」 高野よしこさん
うまい!
クーラーの噴き出し口付近に、一糸まとわぬ裸婦の彫刻があるのだろう。「寒かろうに」と案ずる作者の温かさと、えもいわれぬ滑稽さが同居している句である。
女は体を冷やしちゃいけないのだ!
秋
「赤トンボ改札口を通り抜け」 石毛正子さん
実にのどかな図が浮かぶ。都内のすし詰め電車ではなく、回りを緑に囲まれた、静かな駅なのだろう。スイーッと赤トンボが水平飛行をし、悠々と改札口を抜けてホームに向かう様子が描かれている。
そのまま電車に乗り、どこか遠くの駅まで行ってはどうか。
都会の電車に無賃乗車する虫は、せいぜい蛾か蚊だ。下手すれば、ダニやゴキブリかもしれない。赤トンボが乗ってくれたら、車内も和むのにな。
かけ込み乗車にご注意ください。
冬
「餅膨れ離ればなれとなる焦げ目」 高野よしこさん
思わず唸る観察力である。
オーブントースターの中の餅は、熱により膨らみながら、こんがり焦げてくる。地球儀にある、オーストラリアのような形に色づくこともある。しかし、風船のようにプーッと膨らむと、オーストラリアは裂けてしまうのだ。中から白くて軟らかな餅が飛び出して、焦げ目は離ればなれとなる。
この餅は、野菜と鶏肉が入った、醤油ベースの雑煮に入れるのだろうか。それもいいが、私は断然、ゆであずきたっぷりのお汁粉にしたい。
結局最後は、食べ物で終わるようで……。
※ 合同句集『なめがた』は市販されておりません。
お求めになりたい方は、株式会社 さんゆう社印刷(0299-55-3535)までお問い合わせください。(1冊3000円)
楽しんでいただけましたか? クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
これは、茨城県行方(なめがた)市在住の俳人39名による、約2100もの俳句を刊行したものである。
俳句はいい。わずか17字で、季節感あふれる情景が映像のように広がり、感嘆したり笑ったりと、心を動かされるのだ。
ここでは、たくさんの句の中から、季節ごとのお気に入りを選んでみた。
春
「ねぎぼうず教え子の顔畑いっぱい」 瀬尾清子さん
この方も、教員だったのだろうか。
ねぎぼうずを見ると、バリカンで刈り上げた、いがぐり頭の男子とダブるようである。
こちらの勤務校で、坊主頭の生徒は野球部くらいだ。ねぎぼうずとはリンクしない。
どちらかといえば、私はトウモロコシの毛に反応する……。
夏
「裸婦像へ冷房直にあたりけり」 高野よしこさん
うまい!
クーラーの噴き出し口付近に、一糸まとわぬ裸婦の彫刻があるのだろう。「寒かろうに」と案ずる作者の温かさと、えもいわれぬ滑稽さが同居している句である。
女は体を冷やしちゃいけないのだ!
秋
「赤トンボ改札口を通り抜け」 石毛正子さん
実にのどかな図が浮かぶ。都内のすし詰め電車ではなく、回りを緑に囲まれた、静かな駅なのだろう。スイーッと赤トンボが水平飛行をし、悠々と改札口を抜けてホームに向かう様子が描かれている。
そのまま電車に乗り、どこか遠くの駅まで行ってはどうか。
都会の電車に無賃乗車する虫は、せいぜい蛾か蚊だ。下手すれば、ダニやゴキブリかもしれない。赤トンボが乗ってくれたら、車内も和むのにな。
かけ込み乗車にご注意ください。
冬
「餅膨れ離ればなれとなる焦げ目」 高野よしこさん
思わず唸る観察力である。
オーブントースターの中の餅は、熱により膨らみながら、こんがり焦げてくる。地球儀にある、オーストラリアのような形に色づくこともある。しかし、風船のようにプーッと膨らむと、オーストラリアは裂けてしまうのだ。中から白くて軟らかな餅が飛び出して、焦げ目は離ればなれとなる。
この餅は、野菜と鶏肉が入った、醤油ベースの雑煮に入れるのだろうか。それもいいが、私は断然、ゆであずきたっぷりのお汁粉にしたい。
結局最後は、食べ物で終わるようで……。
※ 合同句集『なめがた』は市販されておりません。
お求めになりたい方は、株式会社 さんゆう社印刷(0299-55-3535)までお問い合わせください。(1冊3000円)
楽しんでいただけましたか? クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)