これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

ついでの七五三

2011年11月13日 20時05分03秒 | エッセイ
 恥ずかしながら、私は長い間、七五三について誤解をしていた。
 女の子であれば、3歳と7歳にお祝いをする。だが、私は5歳のときにも祝ってもらったので、それぞれの年齢でお祝いをするのだと思っていた。
 我が家の場合、2歳上の姉が7歳のとき、私は5歳である。同い年の従弟と一緒にお祝いしたこともあり、私だけ普段着では気の毒だと親が思ったのだろう。
 その日は、ネクタイをしめ、サスペンダーつきのショートパンツをはいた従弟と、髪を結って化粧をし、晴れ着を着た姉が主役だった。私は祖母が縫ってくれたチェックの着物を着て、2人と一緒に記念撮影に加わっている。子どものときから着飾ることが好きだったので、新しい着物がとてもうれしかった。3人とも、細長い千歳飴の袋を大事そうに持ち、ニコニコ笑って写っている。
 姉と従弟が神社でお祓いをしたときは、祖母に「外で待っていようね」と言われた気がしたが、ついでにお祝いしてもらったとは露知らず、主役のつもりでいたことが恐ろしい。着物を脱いだあとは、姉と従弟と車座になって、お待ちかねの千歳飴を開けた。子の長寿を願い、細く長い形をしているのだと、そのとき聞いた。
 もちろん、7歳になったら、姉が着ていたキレイな晴れ着を着せてもらって神社に行った。
 だから、自分に子どもができるまで、大いなる勘違いをしていたわけだ。
 4歳下の妹は、5歳のときのお祝いがなかったが、3人目だから親が手抜きをしたのだと哀れに感じた。まったく、とんだ濡れ衣である。

 祝ってもらう立場であれば、回数が多いほうがいい。しかし、親になると、衣装や写真の予約など、手間暇かかって大変だ。自分のことは棚に上げ、今では2回でよかったと喜んでいる。
 娘が7歳のときは、私も一緒に着物を着た。うぐいす色の訪問着で、仕立ててから数回しか袖を通したことがない。神社で髪結いも着付けもしてくれるというので、ついでのつもりだった。
 しかし、予想以上に時間がかかった。主役の娘がスタンバイできたのに、私の準備が終わらず、延々と待たせる破目になった。何度「まだ?」「まだぁ?」「ま~だぁ?」と聞かれたことか。
 ようやく支度を終えると、夫と娘は廊下で待ちくたびれていた。私も疲れたが、鏡に映る和装の自分を見たら、俄然、元気がわいてきた。背筋を伸ばし、「さあ、行くわよ!」と張り切る私を、ヨレヨレになった2人がしおれた目で見上げた……。

 今日は、お天気もよく、絶好の七五三日和だった。
 神社は、和装、洋装のチビっ子たちで賑わっていたようだ。
 ついでがあれば、ぜひ私も呼んでもらいたい。



クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする