「お母さん、2月1日と2日、一緒に名古屋に行かない?」
高2の娘からお誘いがあった。
「あ、どっちも仕事だから、ダメだ~」
「何だ、じゃあ、お父さんに聞いてみる」
なぜ名古屋なのかというと、彼女がSKE48のライブに当選したからだ。2月1日の16時から始まるので、1泊して、東京には翌日戻ってくる予定らしい。さすがに、高校生が一人で遠出するのはよくない。夏に福岡ドームでのコンサートに当たったときは私が同行したが、今回は夫がついていくことになった。
「じゃあ、行ってきます!」
2人は元気よく出かけていったが、普段はろくに会話もしない。2日間も一緒にいて、ケンカしないだろうか。
私の不安は、食べ物が解決してくれたらしい。昼前に名古屋駅に到着し、早速メールが送られてきた。
「きしめん、うまい」
ほほう。
会話が弾まなくても、美味しい食べ物があると、人は笑顔になれる。写真を撮ったり、感想を言い合ったりして、白けた雰囲気にはならなかったのだろう。
ライブの間は、3時間、夫も立ち上がって観ていたという。「ノリがよかった」と娘がほめていた。
夜はホテルでルームサービスを頼んだところ、これも抜群に美味だったそうだ。
私は、一日だけ一人暮らしとなったから、仕事のあとは友人と夕食をとり、息抜きしたあと、遅い帰宅をした。夫から「まだ帰らないの?」と催促されることもなく、娘から「酒臭いよ」と文句を言われる心配もない。
私は自由だ!
誰もいない部屋は冷え切っていたが、すべてが自分のペースで行動できるところは魅力である。誰かに頼まれごとや邪魔ををされることもなく、全身で解放感を味わった。家事は全部自分でやらなければならないとはいえ、ストレスとは無縁の空間が心地よかった。
「ひつまぶし、うまい」
翌日、つまり今日の昼食は、楽しみにしていた「ひつまぶし」らしい。
お腹がパンパンになるほど食べて、苦しかったけれど、メールにはすごく美味しくて満足だと書いてあった。
「天むす買って帰るね」
2人は、短い名古屋滞在をエンジョイしたようだ。
私も早めに仕事が終わり、池袋から電車に乗るところだった。始発とあって、座席は空いている。車内を見渡すと、見慣れた夫の牛のような体型が目に飛び込んできた。たまたま、帰る時間が一致したのだ。
「あっ」
「あっ」
お互いに気づき、合流した。何という偶然。娘も驚いている。
「こんなことってあるんだね。まるで、3人で出かけてきたみたい」
「ホントは違うけど」
たわいのない会話を交わし、家路についた。
次に、娘が夫と2人で出かける機会はあるのだろうか。
私はもう一度、なにものにも縛られない、気ままな一人暮らしをしてみたいのだが。
↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
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なぜ名古屋なのかというと、彼女がSKE48のライブに当選したからだ。2月1日の16時から始まるので、1泊して、東京には翌日戻ってくる予定らしい。さすがに、高校生が一人で遠出するのはよくない。夏に福岡ドームでのコンサートに当たったときは私が同行したが、今回は夫がついていくことになった。
「じゃあ、行ってきます!」
2人は元気よく出かけていったが、普段はろくに会話もしない。2日間も一緒にいて、ケンカしないだろうか。
私の不安は、食べ物が解決してくれたらしい。昼前に名古屋駅に到着し、早速メールが送られてきた。
「きしめん、うまい」
ほほう。
会話が弾まなくても、美味しい食べ物があると、人は笑顔になれる。写真を撮ったり、感想を言い合ったりして、白けた雰囲気にはならなかったのだろう。
ライブの間は、3時間、夫も立ち上がって観ていたという。「ノリがよかった」と娘がほめていた。
夜はホテルでルームサービスを頼んだところ、これも抜群に美味だったそうだ。
私は、一日だけ一人暮らしとなったから、仕事のあとは友人と夕食をとり、息抜きしたあと、遅い帰宅をした。夫から「まだ帰らないの?」と催促されることもなく、娘から「酒臭いよ」と文句を言われる心配もない。
私は自由だ!
誰もいない部屋は冷え切っていたが、すべてが自分のペースで行動できるところは魅力である。誰かに頼まれごとや邪魔ををされることもなく、全身で解放感を味わった。家事は全部自分でやらなければならないとはいえ、ストレスとは無縁の空間が心地よかった。
「ひつまぶし、うまい」
翌日、つまり今日の昼食は、楽しみにしていた「ひつまぶし」らしい。
お腹がパンパンになるほど食べて、苦しかったけれど、メールにはすごく美味しくて満足だと書いてあった。
「天むす買って帰るね」
2人は、短い名古屋滞在をエンジョイしたようだ。
私も早めに仕事が終わり、池袋から電車に乗るところだった。始発とあって、座席は空いている。車内を見渡すと、見慣れた夫の牛のような体型が目に飛び込んできた。たまたま、帰る時間が一致したのだ。
「あっ」
「あっ」
お互いに気づき、合流した。何という偶然。娘も驚いている。
「こんなことってあるんだね。まるで、3人で出かけてきたみたい」
「ホントは違うけど」
たわいのない会話を交わし、家路についた。
次に、娘が夫と2人で出かける機会はあるのだろうか。
私はもう一度、なにものにも縛られない、気ままな一人暮らしをしてみたいのだが。
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