これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

雪女アート

2014年02月09日 15時10分13秒 | エッセイ
 昨日は、東京でも、20年ぶりに積雪25cmとなる大雪であった。



「さ、寒い……」
 ピューピューと音がして、風が窓を叩き、外は吹雪になっている。つくづく、仕事のない土曜日でよかったと感謝した。
 2階のベランダにも雪が吹き込み、サンダルが埋もれている。



 この前、粉砂糖を買ったが、きめ細かいところが似ていると思った。
 格子にも、いい塩梅に雪が積もっている。白と黒のコントラストから、大人の落ち着きやバランス感覚を連想するのは私だけだろうか。



 そして、手すりの上には、柔和な盛り上がりができている。



「焼き立ての食パン」に見えて、私は一人ではしゃいだ。
 どうやら、我が家に来たのは、芸術家気質の雪女だったようである。雪化粧とは、何の変哲もない風景が、白い雪に覆われて、いつもより美しく見えることをいうのだろう。暖かい部屋の窓から、彼女の作品を堪能して、つかの間の雪景色を楽しんだ。

「あーあ、溶けちゃった……」
 翌日の今日は、朝からいい天気だった。食パンはあとかたもなく崩れ、格子には骨組みしか残っていない。道路には茶色に汚れた雪が混じり、無様な素肌をさらしている。透き通るような白い肌の妖女が去ったあとは、現実が待っている。さっさとお昼の準備をしなければ。
 冷蔵庫をのぞくと、きしめんがあった。



 冷凍庫には、パスタソースがある。



 以前、そうめんにミートソースをかけたら、ものすごく美味しかった。これを組み合わせても、イケそうな気がした。
「昨日の雪女に負けないぞう!」という妙な対抗意識に後押しされ、「カニトマトクリームきしめん」ができ上がった。



 思った通り、べらぼうに美味しかった!
 でも、太くて長い麺は、扱いに困る。
 食べにくいのが玉にキズ……。


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コメント (19)
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