これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

第136回 簿記検定

2014年02月23日 16時20分49秒 | エッセイ
 今日は東京マラソンだけでなく、日本商工会議所主催の簿記検定の日でもある。
 大学で会計学を学びたいという娘が、近くの大学まで受験に行ってきた。
「電卓持った? 受験票は?」
「あるある。じゃあ、行ってきます」
 9時開始に間に合うように、7時半に送り出すと、ようやく肩の荷が下りる。
 彼女が簿記の勉強を始めたのは8月だ。簿記検定は、回によって難易度に差がある。本来は、比較的合格率が高く、やさしい問題の多い11月に受験するはずだった。だが、直前になっても、3ページしか問題集が進んでいない……。時間切れで、やむなく欠席したことがある。
「今度は絶対勉強する」
 本人の言葉を信じて、1月に再度受験の申し込みをしたのだが、どうも机に向かっている様子がない。
「問題集見せて」
 中を開けると、5ページしか終わっていなかった。
「8月から1月までかけて、5ページしかやってないって、どういうこと!?」
 私は激怒した。さすがに娘もマズいと思ったようで、2月は簿記漬けの日々を過ごした。雪で休校のときも、入試休みのときも、朝から晩まで問題集と格闘していた。何度も電卓を叩き間違え、計算ミスをしては悔しがっていた。
 その甲斐あって、過去問題は、だいたい70点以上とれるようになり、検定当日を迎えている。何とか合格してほしい。



「終わったよ。たぶん受かる」
 試験終了の11時過ぎにメールが来た。3番には手間のかかる残高試算表が出て、2番と4番は見たことのない問題だったというが、自信があるらしい。一時間ほどして、本人も帰ってきた。
「高校生はミキだけだった。あとはみんな、スーツを着た大人」
「だろうね。高校生や大学生は、自分の学校で受けるから」
「ミキは8時半に着いたのに、大人は何人も遅刻して、9時過ぎに来てた」
「……」
「制限時間は2時間だったけど、ミキは1時間で終わっちゃった」
「勉強してれば、だいたい早く終わるからね」
「でも、大人は最後まで必死で書いていたよ」
「……」
「時間になって、やめてくださいと言われたのに、いつまでも書いているおじさんもいた」
「へえ」
「試験監督に、無効になりますよって言われたらやめてた」
「……」
 大人代表というわけではないが、私は何だか恥ずかしくなった。仕事では、きっちり時間を守るだろうに、なぜ検定試験ではルーズなのか。お客様だから、好きに行動していいと思っているのかもしれない。でも、その心の隙は、えてしていい結果につながらない。
「もっと真剣にやればいいのにね」
 忙しくて、思うように勉強できない社会人も、気を引き締めて頑張ってほしい。
 娘は、手ごたえに満足したようだ。
「合格したら、次は2級を受ける!」
 はいはい。
 今度は、計画的に進めてくださ~い。


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コメント (12)
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