今週も、よく雨が降った。
8日月曜日は十五夜だったのに、見事なまでに雲のカーテンが下りていて、影も形もなし。富山の友人がアップした月の写真を見て、関東地方の不運を嘆く。
でも、9日火曜日は、カーテン全開で満月&スーパームーンを見せてくれた。

……写真は下手クソだが、とてもキレイだったのだ。
今日は職場で健康診断があり、朝から禁飲食でひもじい思いをしていた。
「まずは、身体計測からです」
「終わりましたか、次は血圧に行ってください」
「お疲れ様でした。このあとは聴力と心電図となります」
「じゃあ、採血の列にお並びください」
という具合で、健康診断には体力がいる。喉は渇き、お腹も空いているから、途中で力尽き倒れてもおかしくない。
「次は診察です」
「視力の前でお待ちください」
ここまでで30分ほどかかった。残るはレントゲンのみ。
だが、このレントゲンが一番厄介なのである。
「ただいま男性が入室中ですので、少々お待ちください」
レントゲン車は屋外に停まっていた。2台来てくれればいいのだが、予算の都合か、いつも1台だけなので、男女男女と交互に撮影していく。蚊に刺されぬように注意しながら、順番待ちをしていた。
「あ、雨」
ほどなく、パラパラと雨が降ってきた。レントゲン車までは、20メートルほど離れている。屋根がないので、車の前で待っていたら濡れると思い、玄関先で待機していた。
「ザーザーザー」
小雨だった雨が、急に激しくなってきた。雨粒の軌跡がハッキリ見えて、地面に叩きつけられては跳ね上がる。まさか、こんな雨の中を突っ切らなくてはいけないのではと不安になったら、まさにその通りだった。
「次の方、どうぞ」
「ひいい~」
傘もなく、髪を振り乱して、レントゲン車に向かって走る。何の根拠もないけれど、楽天的な私は、きっと一時的なにわか雨で、レントゲンの終わる頃には小雨になっていると信じていた。
「これですべての項目が終了しました。お疲れ様でした」
白衣の女性から下剤を渡され、着替えていたときだ。やむはずの雨が、大きな音を立てて、レントゲン車の天井にぶつかっている。まだやんでいなかったのか、と私は顔をしかめた。
「うっ!」
レントゲン車から顔を出したとき、目の前にはさきほどまでと違った景色が広がっていた。雨はさらに激しくなって白く霞み、地面にはいたるところに水たまりができている。わずか数分で、相当な雨量に見舞われたようだ。私は口をポカンと開けて、アホ面をするしかなかった。
こんな展開になるとは思わず、サンダル履きで来てしまったことを悔やむ。しかし、それでも行くしかない。
「ええいっ」
水たまりに勢いよく足を突っ込み、バシャバシャと雨水を蹴散らしながら、ひたすら玄関を目指して走った。たったの20メートルなのに、50メートル走をしているような距離感だ。まだ着かない、まだ着かない……。
ようやく玄関に到着したときは、頭からつま先まで、しっとり濡れそぼっていた。
「雨がひどいです」
ふくれっ面をして職員室に入ったら、同僚がパソコンをのぞきながら答えた。
「さっき、大雨洪水警報が発令されました」
「げっ!」
どうやら、まとまった雨雲の通り道となったようだ。それで、こんな目にあったのかと納得した。
ちなみに、午後は生徒を連れて外部の施設に出かけるはずだったが、雨はいっこうにやまず、取りやめとなった。
もう笑うしかない。
明日くらいは、晴れてくれないかな……。

↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
8日月曜日は十五夜だったのに、見事なまでに雲のカーテンが下りていて、影も形もなし。富山の友人がアップした月の写真を見て、関東地方の不運を嘆く。
でも、9日火曜日は、カーテン全開で満月&スーパームーンを見せてくれた。

……写真は下手クソだが、とてもキレイだったのだ。
今日は職場で健康診断があり、朝から禁飲食でひもじい思いをしていた。
「まずは、身体計測からです」
「終わりましたか、次は血圧に行ってください」
「お疲れ様でした。このあとは聴力と心電図となります」
「じゃあ、採血の列にお並びください」
という具合で、健康診断には体力がいる。喉は渇き、お腹も空いているから、途中で力尽き倒れてもおかしくない。
「次は診察です」
「視力の前でお待ちください」
ここまでで30分ほどかかった。残るはレントゲンのみ。
だが、このレントゲンが一番厄介なのである。
「ただいま男性が入室中ですので、少々お待ちください」
レントゲン車は屋外に停まっていた。2台来てくれればいいのだが、予算の都合か、いつも1台だけなので、男女男女と交互に撮影していく。蚊に刺されぬように注意しながら、順番待ちをしていた。
「あ、雨」
ほどなく、パラパラと雨が降ってきた。レントゲン車までは、20メートルほど離れている。屋根がないので、車の前で待っていたら濡れると思い、玄関先で待機していた。
「ザーザーザー」
小雨だった雨が、急に激しくなってきた。雨粒の軌跡がハッキリ見えて、地面に叩きつけられては跳ね上がる。まさか、こんな雨の中を突っ切らなくてはいけないのではと不安になったら、まさにその通りだった。
「次の方、どうぞ」
「ひいい~」
傘もなく、髪を振り乱して、レントゲン車に向かって走る。何の根拠もないけれど、楽天的な私は、きっと一時的なにわか雨で、レントゲンの終わる頃には小雨になっていると信じていた。
「これですべての項目が終了しました。お疲れ様でした」
白衣の女性から下剤を渡され、着替えていたときだ。やむはずの雨が、大きな音を立てて、レントゲン車の天井にぶつかっている。まだやんでいなかったのか、と私は顔をしかめた。
「うっ!」
レントゲン車から顔を出したとき、目の前にはさきほどまでと違った景色が広がっていた。雨はさらに激しくなって白く霞み、地面にはいたるところに水たまりができている。わずか数分で、相当な雨量に見舞われたようだ。私は口をポカンと開けて、アホ面をするしかなかった。
こんな展開になるとは思わず、サンダル履きで来てしまったことを悔やむ。しかし、それでも行くしかない。
「ええいっ」
水たまりに勢いよく足を突っ込み、バシャバシャと雨水を蹴散らしながら、ひたすら玄関を目指して走った。たったの20メートルなのに、50メートル走をしているような距離感だ。まだ着かない、まだ着かない……。
ようやく玄関に到着したときは、頭からつま先まで、しっとり濡れそぼっていた。
「雨がひどいです」
ふくれっ面をして職員室に入ったら、同僚がパソコンをのぞきながら答えた。
「さっき、大雨洪水警報が発令されました」
「げっ!」
どうやら、まとまった雨雲の通り道となったようだ。それで、こんな目にあったのかと納得した。
ちなみに、午後は生徒を連れて外部の施設に出かけるはずだったが、雨はいっこうにやまず、取りやめとなった。
もう笑うしかない。
明日くらいは、晴れてくれないかな……。

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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)