これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

寄り道心理学

2014年09月18日 18時48分58秒 | エッセイ
 去年からカフェラテにはまっている。
 家では作れないので、ドトール、スタバ、神戸屋、ジョナサンなどなど、仕事帰りに寄り道しては飲んでいる。
 きめ細かい泡が唇に触れ、ふわりとした感触を楽しんだあとは、濃厚なコーヒーが追いかけてくる。熱すぎずぬるすぎず、舌の上で側転、バック転の連続技を繰り出しながら胃に着地する。苦みが広がる瞬間が何とも幸せで、「今日も一日頑張ったぞ~」と満足するのだ。
 だが、週に何度も立ち寄るとなると出費もバカにならない。他に贅沢していないし、ストレス解消にはなくてはならない気がして、必要経費だからと目をつぶっていた。
「笹木さんはコーヒー派なのね。私はビールを飲んでから帰るのが楽しみ」
 同じ職場の美智子さんも寄り道が好きだ。彼女はアルコール専門で、もっぱらエキナカのイートインコーナーに通い詰めている。
「ビール1杯に刺身がついて980円。美味しいけど、毎日ってわけにはいかないのよ」
 こちらも懐と相談しているようだ。
 寄り道する心理を分析する同僚もいた。
「俺もおふくろが生きていたときは、真っ直ぐ帰りませんでしたよ。一人の場所が欲しかったんです。今はしませんけどね」
 なるほど、一種の現実逃避なのだろうか。
 先日、いきなり現実に引き戻された。いつものように、カフェラテの演技を楽しんでいたら、カップにうっすらついている赤いものが見えた。丸い輪郭から口紅とわかった。一瞬、自分のかと思ったが、その日はリップクリームしかつけていない。先客の汚れと気づいたときは愕然とした。
 一気に熱が引いていく。こんなものが出てくる店なら、もう来ない。
 実際、その店には行かなくなったのだが……。
 寄り道自体はやめられない。「スタバなら紙コップだからいいんじゃね?」とか「他の店なら大丈夫かも」などと安全策を練っている。
 今日はソフトクリームをいただいた。



 カフェラテがなかったので、カフェオレを注文する。



 みなさん、コーヒーを飲む前には、カップのチェックをお忘れなく。


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (10)
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