睡眠不足が続いているせいか、お肌がカサカサしていて困る。
たまたま、妹一家と箱根に一泊旅行をすることになっていたので、たっぷり温泉に浸かり、お肌ツルツルになって帰ろうと考えた。
「ユネッサンはどう?」
「いいね~」
10年以上行っていないが、ユネッサンに一日いたら、化粧のりが見違えるほどよくなったことを思い出す。東京から箱根まで、距離的には大したことはないとはいえ、環八も東名も渋滞するから時間がかかる。7時台に出発しても、ユネッサンに着いたのは正午近くであった。
水着に着替え、記念写真を撮ったら、温泉三昧の始まりだ。チョコレート風呂、ワイン風呂、コーヒー風呂、緑茶風呂、フィンランドバス、酒風呂などなど、片っ端から入って温まった。
「スライダーもやろう」
「やろう~!」
凍えそうな寒さだったが、屋外に出てすべり台に向かう。いい年をした大人でも、童心に返って遊べるところが魅力だ。ランチのあとも、しつこくお湯に入る。
「じゃあ、今度は森の湯に行こう」
夕方は水着を脱いでお風呂に入る。人気ナンバーワンのコラーゲン風呂はもちろんのこと、サウナなどにも入り、たっぷり汗を流した。
ユネッサンのあとは、30分離れた場所のホテルに泊まる。ここにも温泉があるから、しっかり朝風呂にも入って、お肌に磨きをかけようと決めた。
「朝食は何時にする?」
「7時でいいんじゃない」
「じゃあ、お風呂は6時だね」
「そうしよう」
妹や義弟と打ち合わせをして、布団にもぐりこむ。長時間に渡る移動と、お湯につかって疲れた体は、すぐに眠りに落ちる。アルコールも手伝って、夢も見ずに深く寝入ったようだった。
かすかな物音で目が覚める。義弟が布団から出て、部屋の外に歩いていく音だった。
あれ? もう朝なのかな。
時計を見ると6時。どうやら、朝風呂に行くようだ。遅れをとってはならじと、娘に声を掛けた。
「ミキ、6時だよ。お風呂に行こう」
「へ? もう朝? 眠いからいいや」
何と、娘は眠気に負けて、朝風呂をパスするつもりらしい。不満だったが、私も眠かったし、一人で行くのも淋しいからいいやと我慢して、再び布団にもぐりこむ。朝食の7時に間に合うように起きなくては。
しかし、次に目覚めたときには、9時を回っていた。
キャーッ!
私はびっくりして飛び起きたが、部屋の中は相変わらず暗くて、妹も甥、姪もぐっすり眠っている。義弟も風呂から帰ってきたら寝たようで、誰一人として起きていない。これはまずいだろうと驚き、声を掛けた。
「ねえ、もう9時過ぎてるよ。大丈夫なの?」
熟睡していても、人は問いかけに反応するものらしい。妹が半眼になりながら答えた。
「えー、もうそんな時間? 朝食は間に合わないわねぇ……」
義弟も、重いまぶたをこじ開けて返事した。
「まだ2時45分だよ。何ごと?」
娘も腕時計を見て確認する。
「いや、2時47分だよ。何言ってるの」
もう一度時計を見たら、上下が逆になっていることに気づいた。どうやら寝ぼけていたようだ。
「あっ、見間違えた。悪い悪い、アハハ」
みんな、言いたいことはたくさんあったと思うが、寝る方を優先したようだ。一斉に布団に倒れ込み、物音ひとつしなくなった。
本当に朝が来たとき、念願の朝風呂がまぶしかった。
義弟がトイレに立った音を勘違いし、安眠妨害したことを詫びる。
箱根の温泉は侮れない。鏡をのぞくと、期待通り、ツルツルすべすべのお肌になっていた。
さて、お風呂のあとは出かけるとするか。
↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
たまたま、妹一家と箱根に一泊旅行をすることになっていたので、たっぷり温泉に浸かり、お肌ツルツルになって帰ろうと考えた。
「ユネッサンはどう?」
「いいね~」
10年以上行っていないが、ユネッサンに一日いたら、化粧のりが見違えるほどよくなったことを思い出す。東京から箱根まで、距離的には大したことはないとはいえ、環八も東名も渋滞するから時間がかかる。7時台に出発しても、ユネッサンに着いたのは正午近くであった。
水着に着替え、記念写真を撮ったら、温泉三昧の始まりだ。チョコレート風呂、ワイン風呂、コーヒー風呂、緑茶風呂、フィンランドバス、酒風呂などなど、片っ端から入って温まった。
「スライダーもやろう」
「やろう~!」
凍えそうな寒さだったが、屋外に出てすべり台に向かう。いい年をした大人でも、童心に返って遊べるところが魅力だ。ランチのあとも、しつこくお湯に入る。
「じゃあ、今度は森の湯に行こう」
夕方は水着を脱いでお風呂に入る。人気ナンバーワンのコラーゲン風呂はもちろんのこと、サウナなどにも入り、たっぷり汗を流した。
ユネッサンのあとは、30分離れた場所のホテルに泊まる。ここにも温泉があるから、しっかり朝風呂にも入って、お肌に磨きをかけようと決めた。
「朝食は何時にする?」
「7時でいいんじゃない」
「じゃあ、お風呂は6時だね」
「そうしよう」
妹や義弟と打ち合わせをして、布団にもぐりこむ。長時間に渡る移動と、お湯につかって疲れた体は、すぐに眠りに落ちる。アルコールも手伝って、夢も見ずに深く寝入ったようだった。
かすかな物音で目が覚める。義弟が布団から出て、部屋の外に歩いていく音だった。
あれ? もう朝なのかな。
時計を見ると6時。どうやら、朝風呂に行くようだ。遅れをとってはならじと、娘に声を掛けた。
「ミキ、6時だよ。お風呂に行こう」
「へ? もう朝? 眠いからいいや」
何と、娘は眠気に負けて、朝風呂をパスするつもりらしい。不満だったが、私も眠かったし、一人で行くのも淋しいからいいやと我慢して、再び布団にもぐりこむ。朝食の7時に間に合うように起きなくては。
しかし、次に目覚めたときには、9時を回っていた。
キャーッ!
私はびっくりして飛び起きたが、部屋の中は相変わらず暗くて、妹も甥、姪もぐっすり眠っている。義弟も風呂から帰ってきたら寝たようで、誰一人として起きていない。これはまずいだろうと驚き、声を掛けた。
「ねえ、もう9時過ぎてるよ。大丈夫なの?」
熟睡していても、人は問いかけに反応するものらしい。妹が半眼になりながら答えた。
「えー、もうそんな時間? 朝食は間に合わないわねぇ……」
義弟も、重いまぶたをこじ開けて返事した。
「まだ2時45分だよ。何ごと?」
娘も腕時計を見て確認する。
「いや、2時47分だよ。何言ってるの」
もう一度時計を見たら、上下が逆になっていることに気づいた。どうやら寝ぼけていたようだ。
「あっ、見間違えた。悪い悪い、アハハ」
みんな、言いたいことはたくさんあったと思うが、寝る方を優先したようだ。一斉に布団に倒れ込み、物音ひとつしなくなった。
本当に朝が来たとき、念願の朝風呂がまぶしかった。
義弟がトイレに立った音を勘違いし、安眠妨害したことを詫びる。
箱根の温泉は侮れない。鏡をのぞくと、期待通り、ツルツルすべすべのお肌になっていた。
さて、お風呂のあとは出かけるとするか。
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