映画「レ・ミゼラブル」を観た。
実家には、児童文学書の『ああ無情』があったので、あらすじは知っていたが、それでも感動した。
たった一つのパンを盗んだ罪で、19年間投獄されたジャン・バルジャンは、ようやく仮釈放となり出所する。しかし、前科者に世間は冷たい。食べ物も家もなく、困り果てた末、教会にひと晩泊めてもらう。ところが、この男、こともあろうに教会の銀器をズタ袋に詰め込み、夜明け前に立ち去るのだ。
そして、逃亡中、見回りの警官に見つかり、御用となる。バルジャンを連行し、教会に入った警官たちは、ズタ袋から銀器を取り出して、司教にあらためさせた。
しかし、司教からは、耳を疑うような言葉が飛び出した。
「これは盗まれたのではなく、彼にあげたのです」
しかも「燭台を忘れていますよ」と付け加え、さらに高価なものを持たせる。警官もバルジャンも、思いがけない展開に目を白黒させた。以来、バルジャンは自分を恥じ、まっとうな人間に変わっていく。
私は、この映画のテーマが「許し」であると感じた。中盤でも終盤でも、許されることによって、誰かの人生が変わっていく。他者を踏みつけ、自分の幸せを追求しがちな現代人には、とりわけ観てもらいたい。私もときどき、人を非難したり、陰口を叩いたりすることがあるので反省する。大空のような、広い心を持ちたいものだ。
作品賞をはじめとして、アカデミー賞に8部門でノミネートされたというから、吉報が待ち遠しい。
実は、私はマダム・テナルディエ役で出演した、ヘレナ・ボナム=カーターが好きなのだ。オスカーへのノミネートはないが、スクリーンに登場すると、目を奪われる存在感がある。
最初に彼女を見たのは、メル・ギブソン主演の「ハムレット」だ。清楚なオフィーリア役で登場し、ガラス細工のようなはかない姫君を好演していた。
ところが、しばらくぶりに「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」でお目にかかったときには、オフィーリアとは真逆の悪役、ベラトリックス・レストレンジ役で出演しているではないか。ベラトリックスは殺戮を好み、けたたましい哄笑を轟かせ、狂犬のごとく攻撃的な魔女である。繊細さのかけらもなく、本当はこういう人なのかもしれないと思わせるほどのイカれぶり。
しびれた……。
今回は、イカサマ宿屋の、手癖の悪いおかみである。
ベラトリックスの残虐さはどこへやら、コメディタッチのせこい稼ぎで笑いをとる役だ。何にでもなり切る女優なのだと、つくづく感心する。
映画は楽しい。
3月まで有効の割引券を何枚かもらったので、次は「リンカーン」でも観に行きたい。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
実家には、児童文学書の『ああ無情』があったので、あらすじは知っていたが、それでも感動した。
たった一つのパンを盗んだ罪で、19年間投獄されたジャン・バルジャンは、ようやく仮釈放となり出所する。しかし、前科者に世間は冷たい。食べ物も家もなく、困り果てた末、教会にひと晩泊めてもらう。ところが、この男、こともあろうに教会の銀器をズタ袋に詰め込み、夜明け前に立ち去るのだ。
そして、逃亡中、見回りの警官に見つかり、御用となる。バルジャンを連行し、教会に入った警官たちは、ズタ袋から銀器を取り出して、司教にあらためさせた。
しかし、司教からは、耳を疑うような言葉が飛び出した。
「これは盗まれたのではなく、彼にあげたのです」
しかも「燭台を忘れていますよ」と付け加え、さらに高価なものを持たせる。警官もバルジャンも、思いがけない展開に目を白黒させた。以来、バルジャンは自分を恥じ、まっとうな人間に変わっていく。
私は、この映画のテーマが「許し」であると感じた。中盤でも終盤でも、許されることによって、誰かの人生が変わっていく。他者を踏みつけ、自分の幸せを追求しがちな現代人には、とりわけ観てもらいたい。私もときどき、人を非難したり、陰口を叩いたりすることがあるので反省する。大空のような、広い心を持ちたいものだ。
作品賞をはじめとして、アカデミー賞に8部門でノミネートされたというから、吉報が待ち遠しい。
実は、私はマダム・テナルディエ役で出演した、ヘレナ・ボナム=カーターが好きなのだ。オスカーへのノミネートはないが、スクリーンに登場すると、目を奪われる存在感がある。
最初に彼女を見たのは、メル・ギブソン主演の「ハムレット」だ。清楚なオフィーリア役で登場し、ガラス細工のようなはかない姫君を好演していた。
ところが、しばらくぶりに「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」でお目にかかったときには、オフィーリアとは真逆の悪役、ベラトリックス・レストレンジ役で出演しているではないか。ベラトリックスは殺戮を好み、けたたましい哄笑を轟かせ、狂犬のごとく攻撃的な魔女である。繊細さのかけらもなく、本当はこういう人なのかもしれないと思わせるほどのイカれぶり。
しびれた……。
今回は、イカサマ宿屋の、手癖の悪いおかみである。
ベラトリックスの残虐さはどこへやら、コメディタッチのせこい稼ぎで笑いをとる役だ。何にでもなり切る女優なのだと、つくづく感心する。
映画は楽しい。
3月まで有効の割引券を何枚かもらったので、次は「リンカーン」でも観に行きたい。
↑
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
これは面白そう。
話は「ああ無情」だから、よく知っているけどね。
「許し」ですか。
自分の幸せばかりを追求しているわけではないと思うけれど、でも結構非難はするからな、私。
しらっとした顔でけっこうきついこと言うと言われるんです。
そうですね、広い優しい心をもたないとね(#^^#)
長女が見てきましたよ。何やら全編ミュージカル映画だとか。苦手・・・。だってXメンのウルヴァリンが歌いだすって・・・想像できない。。。
ヘレナ・ボナム=カーターは自分も好きな俳優です。自分が最初に見たのは、ロバート・デ・ニーロ主演のフランケンシュタインでした。死者を生き返らせる時に、ケネス・ブラナーが「Li~~~ve!」って叫ぶシーンが印象的でしたね。確かハリーポッターでも共演していたと思うます。多分。
「許し」って人生最大の課題だと思います。他を許すことができなければ、個を受け入れることはできない。個を許せば慢心を得、他を叱責する。人間の心って低い方に流れるようにできてるみたいっすね。そんなことを一喜一憂し、もがき、さぐりながら「生きる」ことに専念しているのかもしれませんね。
ああむじょう!(^O^)
因みに、リーアム・ニーソン版ではジャベール署長がジェフリー・ラッシュ、フォンテーヌがユマ・サーマン、コゼットがクレア・デーンズだったよ。
ジャベール署長をバルジャンが時間をかけて変えたといえるし、バルジャンのほうは、司教の温情により本来の人間性を取り戻したという感じがしたね。
またよろしくです♪
僕は過去にミュージカル観に行きました。ジャンバルジャンは滝田さんか鹿賀さんか?
この映画もテレビで放送したら見てみようと思います。
キツいと言われたことあります。
槍が刺さったような衝撃を受けたとか。
本人に悪気はないんですけどね。
言葉には気をつけなきゃ。
困っているとき、意地悪したことのある相手に助けられたことがありました。
寛容さに感心しましたよ。
自分の物差しだけでものを見てはいけないとわかった瞬間です。
うーん、プロレスラーにされちゃいましたか!
スルーしたということは、プロレス少年ではなかったんですね。
私も、10代の頃は、よく人に文句を言っていたなぁ。
自分が失敗することもあるのに。
そのフランケンシュタインは、出演陣が豪華ですね。
昔は名優がたくさんいたような気がします。
流れる水のごとく、低いところを目指して進む人間もいるようです。
自分はそうなりたくないけど、人をけなして自分を上げるような人が増えたような…。
今日のゆうさんは、非常に哲学的(笑)
リーアム・ニーソンも、バルジャンになったの?
たしか、Yanoさんの好きな俳優だったね。
ユマ・サーマンのフォンテーヌっていうのも新鮮な感じ。
それもいいかも。
ラッセル・クロウのジャベールは、なかなか板についていたよ。
俳優かと思っていたら、自分のバンドを持っているみたい。
歌手でもあったのか。
道理で歌がうまかったはずだわ。
アカデミー賞の行方が気になりまふ。
TBありがとうございます!
読書もお好きなんですね。
またお願いします。
いやあ、ぜひ見てくださいよ!
キリスト教の宗教観があふれた映画だと思います。
貧しいフランス庶民は生き延びるため、神に祈るしかなかったんでしょうね。
信仰に心の支えの大きさを感じました。
ミュージカルは楽しい♪