昨年末、8万字のエッセイを書いた。400字詰め原稿用紙に換算すると200枚ほどになる。
エッセイ教室に通っていたときは、800字の作品を書くことになっていたので、実に100倍。初めての試みであった。書きたい内容はたくさんあったけれど、これまでのペースで進めていくと、たったの2万字にしかならず「水増し工作」をしなくてはならない。
「もっとエピソードを増やして、それぞれを膨らませなくっちゃダメだぁ~」
段落に関連した出来事や思い出を無理やりひねり出し、水で薄めて容積をかさ増しすれば、字数はおもしろいように伸びていく。これまでは、読みやすい長さに収めるため、伝えたい部分だけを切り取り広げていたのだが、今度は詳細まで再現して、人物や時代背景までを書き込んだ。これが実に新鮮だった。
たとえるならば、「時間がないから要領よくまとめて3分以内に話して」から、「どんなテーマでもいいよ。いくらでも聞くから、好きなように話してごらん」に変わったのだ。心の中にこもっていた想いがとめどもなく流れ出て、一つ残らず文字に変わり、空っぽになったときのスッキリ感といったらない。やってみて初めて「こうなるのか」と満足した。気をよくして、休みの日は朝から晩まで、ときには早朝まで、時間が経つのも忘れてキーボードを叩き続けた。
無事に8万字に到達したときの達成感が半端なく、「やばい」という表現はこういう場面で使うのだとわかった。クスリをやったのかと思うほど気分が高揚し、睡眠不足なのに眠くならない。何の脈絡もなく歌ったり踊ったりしたくなり、視界の四隅には絵文字の星がきらめいていた。作品自体は駄作だとわかっている。でも、書きたいことが思ったように表現できたことへの喜びが断然勝っていた。癖になりそうな経験である。
反面、長時間、パソコンとにらめっこしていると悪いこともある。老眼が進み、メガネでは手元がボヤけてしまうため、作業するなら裸眼かコンタクトとなるのだが、両目の視力差が大きいせいか、裸眼では疲れやすい。結局、コンタクトを入れて乗り切ったものの、作業時間はトータルで54時間に上った。そのときは夢中だったから何も感じなかったけれど、正月明けの仕事再開時に、コンタクトで酷使された右目に痛みが走った。あれあれ? と思っていたら、「コンタクトは出ていけ、絶対反対!」なるシュプレヒコールを右目が繰り返している気がした。拒否反応か? 角膜の限界だったのかもしれない。
「よし、新しいメガネを作ろう。パソコン用に」
最短で手に入れたかったので、仕事帰りにメガネ屋さんに寄った。作業用だから、度数が下から2番目という低さである。好みのフレームを選び視力を測れば、待ち時間30分ほどで完成するらしい。もっとも、私の場合はブルーライトカット50%のレンズを希望したため、取り寄せに3日要したけれど、いまだかつて掛けたことのない、カジュアルなデザインのメガネである。
これで、9900円は安い。
職場でも自宅でも、メガネが大活躍だ。何のストレスもなく、パソコンを操作できている。
実は、小説を書いてみたいと思い始めている。構想はある。おそらく、3万字程度の短編となりそうだ。登場人物や内容は固まったけれど、オチが決まらない。主人公にも脇役にも、私の想いを表現させて、あの達成感をもう一度、味わいたい。
さあさ、メガネさん、これからもよろしくね。
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
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「もっとエピソードを増やして、それぞれを膨らませなくっちゃダメだぁ~」
段落に関連した出来事や思い出を無理やりひねり出し、水で薄めて容積をかさ増しすれば、字数はおもしろいように伸びていく。これまでは、読みやすい長さに収めるため、伝えたい部分だけを切り取り広げていたのだが、今度は詳細まで再現して、人物や時代背景までを書き込んだ。これが実に新鮮だった。
たとえるならば、「時間がないから要領よくまとめて3分以内に話して」から、「どんなテーマでもいいよ。いくらでも聞くから、好きなように話してごらん」に変わったのだ。心の中にこもっていた想いがとめどもなく流れ出て、一つ残らず文字に変わり、空っぽになったときのスッキリ感といったらない。やってみて初めて「こうなるのか」と満足した。気をよくして、休みの日は朝から晩まで、ときには早朝まで、時間が経つのも忘れてキーボードを叩き続けた。
無事に8万字に到達したときの達成感が半端なく、「やばい」という表現はこういう場面で使うのだとわかった。クスリをやったのかと思うほど気分が高揚し、睡眠不足なのに眠くならない。何の脈絡もなく歌ったり踊ったりしたくなり、視界の四隅には絵文字の星がきらめいていた。作品自体は駄作だとわかっている。でも、書きたいことが思ったように表現できたことへの喜びが断然勝っていた。癖になりそうな経験である。
反面、長時間、パソコンとにらめっこしていると悪いこともある。老眼が進み、メガネでは手元がボヤけてしまうため、作業するなら裸眼かコンタクトとなるのだが、両目の視力差が大きいせいか、裸眼では疲れやすい。結局、コンタクトを入れて乗り切ったものの、作業時間はトータルで54時間に上った。そのときは夢中だったから何も感じなかったけれど、正月明けの仕事再開時に、コンタクトで酷使された右目に痛みが走った。あれあれ? と思っていたら、「コンタクトは出ていけ、絶対反対!」なるシュプレヒコールを右目が繰り返している気がした。拒否反応か? 角膜の限界だったのかもしれない。
「よし、新しいメガネを作ろう。パソコン用に」
最短で手に入れたかったので、仕事帰りにメガネ屋さんに寄った。作業用だから、度数が下から2番目という低さである。好みのフレームを選び視力を測れば、待ち時間30分ほどで完成するらしい。もっとも、私の場合はブルーライトカット50%のレンズを希望したため、取り寄せに3日要したけれど、いまだかつて掛けたことのない、カジュアルなデザインのメガネである。
これで、9900円は安い。
職場でも自宅でも、メガネが大活躍だ。何のストレスもなく、パソコンを操作できている。
実は、小説を書いてみたいと思い始めている。構想はある。おそらく、3万字程度の短編となりそうだ。登場人物や内容は固まったけれど、オチが決まらない。主人公にも脇役にも、私の想いを表現させて、あの達成感をもう一度、味わいたい。
さあさ、メガネさん、これからもよろしくね。
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