スポーツクラブに通うようになってから、はや3年。ヘタクソながらも、スカッシュを続けている。コートは、お手軽に電話で予約できて便利だ。
「16時40分からスカッシュAコート、1名、ササキです」
予約は1コマ20分なので、17時にはコートを出なければいけないが、体力の落ちたオバさんはそれぐらいが限度。いい汗かいてサウナに突入するはずだった。
ところが、5分も経たないうちに、コートに誰かが入ってきた。
「あのう、すみません」
振り返ると、大学生とおぼしき女性が困った顔で立っていた。
「はい?」
「16時40分からは、私が予約したのですが、どちら様ですか」
「えっ、私も40分のはずなんだけど……。ササキです」
「ああ、ササキさんは、16時20分から40分の枠にお名前がありました」
なんと!
「やだあ、40分からって言ったのに、フロントの人が書き間違えたのかしら」
「そうかもしれませんね」
「どうしましょう」
「このあとに、また別の方が予約しているんです。私が後ろにずらせればよかったんですけど」
うーん。
私が思いついたのは、10分ずつ半分こにする提案だった。それとも、ド下手の分際で、「一緒に打ちますか?」にしようかと思ったのだが、彼女の方が大人だった。私が口を開く前に、彼女の言葉が聞こえてきた。
「あ、でも、仲間が隣のBコートにいるので、私はそっちで一緒に打ちます。こちらはそのままお使いください」
「え? いいのかしら」
「はい、大丈夫です」
「すみません。ありがとうございます」
礼を言うと、彼女は浅くお辞儀をして、コートを出た。年長者を立てる気づかいが、この上なくうれしい。ご家庭での教育も行き届いているのだろう。若い人からの親切が、身にしみる年代になってきたと自覚した。
しかし、クラブのフロントはけしからん。再発防止のために、今後、予約の電話をするときは、しつこく確認せねばと決心した。
「ササキと申しますが、17時からスカッシュAコートの予約をお願いします」
「はい。何名様でしょうか」
「1人です」
「承りました」
「確認なんですけど、17時から17時20分ですよね?」
「はい」
「失礼ですが、お名前いただけますか」
さらには、クラブに到着してからも、スカッシュの予約表を見せてもらうのだ。これで、不幸なバッティング問題はなくなるであろう。
今日もクラブに行ってきた。コートが空くのを待っていたら、中から出てきたのは、前回、親切にしてくれた彼女であった。
「こんにちは。この前はありがとうございました」
挨拶をすると、彼女も笑顔で返してくれた。
「こんにちは! いえもう、ぜんぜんどうってことないですよ」
いい子だな。
来週もまた会うかもしれない。
若い子が喜びそうなお菓子でも買っておこうかしらね。
↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「16時40分からスカッシュAコート、1名、ササキです」
予約は1コマ20分なので、17時にはコートを出なければいけないが、体力の落ちたオバさんはそれぐらいが限度。いい汗かいてサウナに突入するはずだった。
ところが、5分も経たないうちに、コートに誰かが入ってきた。
「あのう、すみません」
振り返ると、大学生とおぼしき女性が困った顔で立っていた。
「はい?」
「16時40分からは、私が予約したのですが、どちら様ですか」
「えっ、私も40分のはずなんだけど……。ササキです」
「ああ、ササキさんは、16時20分から40分の枠にお名前がありました」
なんと!
「やだあ、40分からって言ったのに、フロントの人が書き間違えたのかしら」
「そうかもしれませんね」
「どうしましょう」
「このあとに、また別の方が予約しているんです。私が後ろにずらせればよかったんですけど」
うーん。
私が思いついたのは、10分ずつ半分こにする提案だった。それとも、ド下手の分際で、「一緒に打ちますか?」にしようかと思ったのだが、彼女の方が大人だった。私が口を開く前に、彼女の言葉が聞こえてきた。
「あ、でも、仲間が隣のBコートにいるので、私はそっちで一緒に打ちます。こちらはそのままお使いください」
「え? いいのかしら」
「はい、大丈夫です」
「すみません。ありがとうございます」
礼を言うと、彼女は浅くお辞儀をして、コートを出た。年長者を立てる気づかいが、この上なくうれしい。ご家庭での教育も行き届いているのだろう。若い人からの親切が、身にしみる年代になってきたと自覚した。
しかし、クラブのフロントはけしからん。再発防止のために、今後、予約の電話をするときは、しつこく確認せねばと決心した。
「ササキと申しますが、17時からスカッシュAコートの予約をお願いします」
「はい。何名様でしょうか」
「1人です」
「承りました」
「確認なんですけど、17時から17時20分ですよね?」
「はい」
「失礼ですが、お名前いただけますか」
さらには、クラブに到着してからも、スカッシュの予約表を見せてもらうのだ。これで、不幸なバッティング問題はなくなるであろう。
今日もクラブに行ってきた。コートが空くのを待っていたら、中から出てきたのは、前回、親切にしてくれた彼女であった。
「こんにちは。この前はありがとうございました」
挨拶をすると、彼女も笑顔で返してくれた。
「こんにちは! いえもう、ぜんぜんどうってことないですよ」
いい子だな。
来週もまた会うかもしれない。
若い子が喜びそうなお菓子でも買っておこうかしらね。
↑
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
こちらが親切にする立場でしたのに、逆になることが時々ありました。
今は無職なゆえ、そんな経験をすることも無くなりました。若い人たちとの交流っていいものですね!
娘は3月に卒業しました。
今は社会人です。
でも、毎日高校生と接していますから、学生の中にもすんなり入っていけますね。
さすがに高1と大4は雲泥の差がありますが、高3と大1はさほど変わりませんので。
スカッシュはまともにやったら大ハードでしょうが、ゆるゆる打ってる身には小ハードですみます。
うまく調節して楽しめますよ。
スポーツをせずに、ゲームに夢中になっている学生が心配。
いいなあ、自由な毎日なんですね。
定年退職後は私もそうしたいものですよ。
料理に散歩、読書に掃除、旅行をしたり、エッセイを書いたりと、充実した日々が送れそう。
「今の若いもんは」と非難される人もいますが、まともな方もたくさんいます。
若い人から「こんなおばあちゃんになりたい」と思われる老け方をしたいですね。
まだちょっと先の話ですが……。
むこうのほうから「一緒に打ちますか」と言われなくて良かったですね(*^^*)ポッ
砂希さんが高校生をいつも相手にしてるから相手の大学生も違和感がなかったのでは…
もしかしたら砂希さんのことを大学生くらいだと思ったのかもヾ( ̄o ̄😉オイオイ
こうなってしまってからの経験上、今さらながら基本は腹筋だと思います。
腹筋がおちると歩く姿勢も悪くなって、最後には足腰にきて(_ _;)…パタリ
同年代(笑)
100mぐらい離れた場所から見たら、大学生にみえるかもしれませんね。
近づくにつれ、正体がわかり……。
「杖をつかずにスカッシュやってるんだ、すご~い」なんて思われていたりして。
腹筋・背筋を鍛えています。
8月から始めたので、だいぶ筋肉らしくなりましたよ。
片割れ月さんもやってみたら?(笑)
やはり親御さんの教育の賜物ですね。
よくできたお嬢さんでした。
口の利き方をわきまえているし、言葉づかいもバッチリでした。
何よりも、譲り合いの気持ちを持っているところが嬉しいですね。
私が学生のときはどうだったかしら。
こんなにしっかりしていなかったと思います(笑)
大学といえば、大学祭のシーズンですね。大学時代に関わった団体の集まりがあるからどう?って案内もらってましたが、ちょっと都合が合わないので残念ながら欠席と返答していたら、今日も違う仲間からお誘いをもらいました。残念ながら・・・ということになりますが、こういう誘いをいただけるのはありがたいことだなって思いましたよ。
近年は大学生くらいの方とお話する機会なんてありませんが、考えてみれば、僕が応援しているアイドルさんは、その位の年齢なんだなって思い出して、「うん、かわいいわ」って思いましたよ。