米・カリフォルニアの沖、チャンネルアイランド周辺にはいく種類もの鯨類が集まります。シロナガスクジラも餌のオキアミを求めてこの海を訪れます。
ここは自分が動物の写真を撮るきっかけになった場所です。とにかく大きなシロナガスクジラが見たいと小学生の頃から思っていました。20mを超える生き物とはどんなものなんだと、ただ大きいというだけの好奇心だったかもしれません。自分にとって生涯大きな出会い(人と動物のどちらも)をここでしました。
シロナガスクジラにはいとも簡単にあっけなく拍子抜けするくらいに出会えてしまいました。最初のシロナガスとの出会いの場面は昨日の事のように鮮明に覚えています。空の色、波しぶき、ボートに腰掛けていた位置、噴気の音、師匠の声とクジラを指差す姿、振り向き始めてから(シロナガスは船の斜め後方に出ました)クジラを見るまでの景色の流れ、二十数年経った今も鮮やかに記憶に留まっています。その日から数日クジラ三昧でした。陸では短パンタンクトップにバインドした教科書を肩からかけてローラースケートで海岸通りを走り抜けていく女の子に見とれ、コーヒーショップでは地元の女の子にナンパされるというおまけ付き。空からのセスナでの撮影では警報音がずっと鳴り響く中、幾度も空が足元に見えるという体験をし、盛りだくさんにも程があるツアーでした。当時はカメラに触ったこともなく、友人に押し付けられて仕方なく持っていったカメラはパノラマモードに設定がなっていて、ファインダで見た画の上と下がちょん切れるというありさま。
この時の体験は頭の中の大きなある一部分を占拠しているようです。
感謝しかない。
ザトウクジラも普通に見ることができる場所です、