シンリンオオカミ。
動物園というところは動物たちを隔離して人間たちに見せるという場所。
動物園で生きている動物たちにとっては頑張らなくても食べ物が手に入り天敵に襲われることもない。ただ、そのアイデンティティは動物たちからすれば崩壊していると言えます。動物園のライオンやトラたちに「あなたたちは捕食者か?」と聞いたとすれば答えは「いいえ」ということになるでしょう。
一方、動物園に訪れた人間たちにとっては動物たちのアイデンティティは壊れていないかもしれません。ライオンやトラを見て、目を輝かせている子供に「ライオンは怖いか?」と聞けば「はい」という答えが多く返ってくることと思われます。人間にとっては動物園の動物たちのアイデンティティは壊れていないのかもしれません。
それが動物園です。
近い将来、動物園の役目は縮小し、消滅するかもしれません。
現在動物園で行われている観察、研究も形を変えていくことと思います。
今は目の前にいる動物園の動物たちが、どのような経路を辿ってここにいるのかを知ることも大切なことかもしれないと思うところです。