一花一葉  NewTraditonal IKEBANA 

徒然なるままに・・季節の植物に 心を遊ばせて

1405- 鯉の思い出

2014-05-04 | 生け花
 四季のある日本の行事は、それぞれに趣があって好きですが、五月の節句の鯉のぼりは 格別に良いものに思います。
最近では、使われなくなった鯉のぼりが 集団になって泳いでいる映像を 良く見かけますが 個々にいろいろな物語があるのではないかと思います。
 地方に行って、大きな鯉のぼりが 碧空に悠々と 泳いでいる様は 大らかな気持ちになります。その様な、気持ちを生け花で表現してみたいと思って 鯉のぼりそのものと花をコラボさせてみました。
どなたか、鯉のぼりを譲って貰えないかと思っていた所、縁あって 四十年位経った、8メートル以上の物を頂くことになりました。
 伺ったそのお宅は、元地主だったとの事で 長屋門のある大きなお宅でした。にこやかに迎えてくださったご夫婦から、ご長男が生まれた時の物で、家の前の田圃に 大きな柱を建てて、泳がせていたとの事。
その後、使い方を変え二度 花展に使い、ご家族もご覧になって喜んでいただきました。
 神戸での初個展「いよいよ、三度目のコイです」と、花展のご案内をしましたが 何の音沙汰もなく 暫くして奥様の訃報を知りました。
とても、お元気そうだったので 信じられない気持ちでした。三度目は真鯉と緋鯉で、ご両親のお子様への愛をテーマにした作品でした。

 花材 ・若松 ・すかし百合 ・オリエンタルリリー ・桜 ・椿 ・雲竜桑 (銀色着色)
 花器 ・織部の壷 ・すり鉢型花器


2013年4月 個展作品より


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