一花一葉  NewTraditonal IKEBANA 

徒然なるままに・・季節の植物に 心を遊ばせて

1704- つばさに乗って

2017-04-08 | 生け花
 美しい銀髪の、おかっぱ頭の小柄な 丸顔の女性。私がこの方にお目にかかったのは、担当する公民館の太極拳教室でした。
当時この方は80歳とのこと、薄く紅を引いた優しい口元に 笑顔を浮かべて「このような年齢でも、教室に入れて貰えるでしょうか ・・もちろんです」と言う事で入会され それから10年間 30分以上歩いて90歳になるまで熱心に通ってこられました。
 90歳を迎えられた時、家族が心配するからと教室を止められましたが その後も交流があり「毎日、太極拳は欠かした事はありません」 との事でした。

 この方は熱心なクリスチャンで 戦後直ぐに教会再建のために 中心的に力を尽くされました。
102歳にこの春に亡くなられるまで、何度かの病気も見事に回復され その生活振りは 私の鑑と思われる事ばかりでした。
 私の目標とする「我、思うことに従いて 則を越えず」を見事に実現されている方と お見受けしました。
私たちの「太極拳・つばさの会」の名付け親でもある、あの笑顔を見られないのは本当に寂しいものです。

 きっと、つばさに乗って天国へ旅立たれ 地上の美しい春の風景を ご覧になりながら 太極拳を舞っていらっしゃることでしょう。
明るい春の 花々を生けて ご冥福をお祈りいたします。

 花材 ・吉野桜 ・伊予みずき ・紅椿3種
 花器 ・青白磁 器