「あなたの好きな名探偵」と聞いたら、黙っていられないぜ!
そう快気炎をあげたくなったのは、先日、ミステリー専門チャンネル「AXNミステリー」が開局20周年を祝してやっていた、ある企画を見たときだった。
その内容というのが、
「あなたの好きな名探偵投票キャンペーン」
大ヒットした『SHERLOCK』をはじめ、『刑事モース』『刑事フォイル』など、ミステリを題材にしたドラマが好調ということもあってか、1万3000票も集まる盛り上がりを見せたそうだ。
こう聞かされては、子供のころ「将来の夢」のアンケートに「野球選手」でも「総理大臣」でも「世界征服」でもなく一貫して
「名探偵」
と書き続けた阿呆としては、じっとしていられない。
「オレならこれを入れる」「いや、わたしはこっち」と居酒屋でカフェのテーブルで、ミスヲタ仲間とキャッキャ言い合うと、もう時間のたつのも忘れるほどなのである。
というわけで、今回はかくいう私が好きな名探偵について語りたいが、その前に、本家「AXNミステリー」のランキングを見てみると、こうなっているそうで、
1位 シャーロック・ホームズ
2位 金田一耕助
3位 エルキュール・ポワロ
4位 コロンボ
5位 浅見光彦
6位 明智小五郎
7位 ミス・マープル
8位 三毛猫ホームズ
9位 モース
10位 ブラウン神父
10位が「ブラウン神父」とは、実に渋めというか、まず古典がランクインとは。
こいつは相当にガチなアンケートではないかと一瞬思ったが、おそらくはドラマ版の影響であろう。
じゃないと、モースがなかなか9位には入らないよなあ。
ポアロ(私はハヤカワで読んでいるので、こっち表記)やジェーンおばさまも、本よりドラマの印象が強いのかもしれない。
その証拠に、濃い目のミスヲタ相手なら絶対に出て来るはずのエラリー・クイーンがランク外なのだ。
「画で見せないといけないので、ミスディレクションがしにくい」
「探偵の謎解きシーンが冗長になりがち」
などの理由で、
「ミステリは映像作品に向かない」
という話を聞くけど、エラリーのような「本格」は、ますますその傾向が強いのかもしれない。
うーん、でもうまくキャラを生かせば、それこそ女性ファン受けしたりしそうだけど。
パパとラブラブだし、女の影も希薄だし、そういや最近出てる新訳版の表紙は、いかにもそれっぽい。
次のドラマ化はこれだな。
私が選ぶ「俺ベスト」となると、江戸川乱歩、コナン・ドイル、アガサ・クリスティーから乱読バリバリという道を歩んだ身としては、明智、ホームズ、ポアロにミス・マープルは別格として、次に来るのがJ・J・マローンとベイジル・ウィリング博士。
少年探偵なら「百科事典」ロイ・ブラウンに、マガーク探偵団。
エーミールとカッレ君ってのもありだな。カーステアズ姉弟とか、「ジャンジャラ探偵団」のめぐと千夏。
女探偵はハードボイルドな葉村晶。主婦探偵ならジェーン・ジェフリイ。
少女探偵なら、11歳のじゃじゃ馬化学者フレーヴィア・ド・ルース。
おっと、忘れてはいけない大乱歩先生からは花崎マユミが黙ってない。
あと個人的に好きなのがカップル探偵。
トミーとタペンスのベレズフォード夫妻に、サスペンスからはクィン・ウィリアムズとブリッキー・コールマン。
ニックとノラの「おしどり探偵」も、はずせない。
ジェークとヘレンのジャスタス夫妻に、ビル・スミスとリディア・チン。
嗚呼、快活で行動的な探偵趣味の女と結婚したい。
なんだかもう、探偵と出演作の名前を書くだけで、いつまででも話していられるこの話題。
まだまだ尽きないので、次回から何人か、今度は少し変わり種な「わたしの好きな名探偵」を紹介してみたい。
(続く→こちら)