【慶視点】
何となく、浩介の元気がない……気がする。
(いつからだ?)
ここ最近忙しくて気がついてやれなかったことに、後悔の波が押し寄せる。が、後悔ばかりしていてもしょうがない。なんとかしたい。
(でも、大丈夫か?って聞いたって、大丈夫って言われるよなあ……)
うーん……と腕組みをしてソファに沈みこんでいたところ、
「どうかした?」
当の本人が風呂から出てきて、向かいの地べたにストンと座った。
「難しい顔して……仕事でトラブルでもあった?」
「あ、いや……」
心配してるのに心配されてしまった……
「なんでもない……」
「そう? おれに出来ることあったら言ってね?」
「…………」
…………。
…………。
なんでそうなるかなあ……。おれはお前の心配したいのに……
「お前さ……」
「うん」
「…………」
「…………」
出来ることがあったら言えっていうなら……
「正直に答えろ」
「え?……、て?」
手を伸ばして浩介のアゴを掴むと、きょとん、とした瞳が見返してきた。
「何?」
「…………。お前、なんかあった?」
「…………」
「…………」
「…………」
目をそらした浩介。
「何も……」
「なんか、元気がない気がするのは、気のせいじゃないよな?」
「………っ」
はっとしたようにこちらに視線を戻してきた。
「それは……」
「それは?」
「…………」
「…………」
じっと見つめて……
そうしていたら……
気がついたら、唇が重なっていた。
まるで、初めてしたときのような……自然に、どちらからともなく、吸い寄せられたキス。
(…………何年ぶりだ?)
コロナ禍で、唇へのキスはずっと避けていた。
だから……3年ぶり、か?
(ああ………)
愛おしい。
愛おしさが溢れてくる。
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お読みくださりありがとうございました!
数日前にパソコンが壊れまして……
でもどうしても書きたくて書きたくて。
初めて(だと思う)全部スマホで書きまして。
なんか……なかなか進まなくてもどかしかったです。
というか、本当は一回で終わらせるつもりだったのに、無理だった……
そういうわけで、後編に続きます。
実は浩介父の若い頃の話の続きを書きかけていて、一話は書いて保存してあるのですが……なんか…間があくのも何なので、書き終わってからアップしたほうがいい気がしていて……
でもそうすると、ずっとここの更新がなくなってしまうので……
時々、小話をアップできたらなあと思っております。
そういうわけで、後日(一ヶ月以内にはあげたい)、後編を……
※といいながら、長引いて、前中後となります💦
読みに来てくださった方、ランキングクリックしてくださった方、本当にありがとうございます。