今日の午後、網走の道の駅。
お昼ご飯はさろまのお魚市場で網焼き魚貝をたべる
はずだった。と・こ・ろ・が、お魚市場の網焼きコーナーは冬季は休業。そこから、壮大なご飯屋さん探しが始まるのである。結局、朝ご飯にコンビニでパンを軽く食べて以来、何も食べられずに夜の七時まで過ごすことになるのだが・・・それはこのコーナーの地獄の苦しみとは関係ない。
サロマからご飯屋さんを探しに網走まで戻る。網走と言えば、めぐちゃんの実家。網走と言えば、三年前のコインランドリー事件と網走に咲いた花~男って馬鹿だね事件。まぁ、それも地獄の苦しみとは関係ない。
網走の道の駅。おじさまたちが観光情報のペーパーを見ながら盛り上がっている。どうしても網焼きの魚貝が食べたいらしい。発端は僕がお魚市場の網焼きを勧めたことにあるから、文句は言えない。しかしどうして、北海道には、魚貝の網焼きの店なんてそうはない。僕は知っているが、おじさまたちは知らない。だからもう網焼きにこだわるのである。
おじさまたちが観光案内で仕入れた情報を見て、「カニ焼きを食べるぞ!」と言い出した。
「カニですか?」と言いながら、高いなぁと想ったその瞬間に、地獄の苦しみは始まった。
僕はお腹の辺りに違和感を感じていた。なんか・・・痛い感じがしていた。おじさまたちはカニ一直線である。僕は車の後部座席に乗り込む。みるみる内にお腹の違和感は完全なる痛みに変わっていく。
なんでこんなに痛いんだ?僕は後部座席で密かにのたうち回りながら考えていた。痛みはすでに強烈なものに変わっている。右側のお腹が死ぬほど痛い。盲腸か?と疑いを持つ。こんな時に盲腸?次第に右側の腰にも激痛が走り始める。
あっ、と僕は思った。盲腸かと疑いをかけ、腰にも痛みが走り、腰を叩くと気絶しそうなほどの痛みを感じる。・・・これ、知ってる。この痛みを僕は知っている。
これは、例の結石の痛みなのだ。間違いない。間違えるわけもない。何度も味わったことのある痛みだ。
カニ焼き一直線のオヤジたちに、車を停めてくれるように頼みたいのだが、声が出ない。あまりの痛さに声が出ない。歯を食い縛っていないと、痛みで破裂してしまいそうだ。そして息も出来ない。
ナビを見るとカニ焼き屋まであと2キロ。・・・もうすぐだ。耐えるんだ。頑張るんだ・・・シング。
カニ焼き屋に車は停まった。おじさまたちは僕に声をかける。「なぁ、シングちゃん、カニ好きだよなぁ?」
僕は力を振り絞って答える。オナカガイタイノデ、カニハタベラレマセン・・・ドアヲ・・・ドアヲ・・・アケテクダサイ。
僕は右側のお腹に手を当てながら雪の降る中に飛び出した。
フタリデタベテキテクダサイ。ボクハケッセキナノデハシッテキマス。
そんなことをいきなり言われた方も意味不明過ぎて可哀想である。カニ一直線だったおじさまたちも、さすがに心配をしてくれる。「医者に行くか?」
僕はくの字になりながら、ピョコンピョコンと跳ねながら雪道を走る。山道を走る。途中で登りはキツイことに気づき、山道を下る。
雪の中、厚着をしたヘンテコな奴が、脇腹を押さえながら走るピョコンピョコンと走っている。顔面蒼白でカラダをくの字に曲げながら、ピョコンピョコンと走っている。そこに地獄があるとは・・・誰も想うまい。
ラッキーだった。15分ほど走る間に、痛みが収まって来た。車で待っているおじさまたちと話が出来るくらいには収まった。
事情を説明して、もう少し走る。
もう、この痛みと戦うのは五回目だ。今までの四回の内、二回は自分で直した。二回は入院した。
直した二回は、走ったり跳ねたりして直した。入院は嫌だ。
なんで、旅の間にこんな目に会うんだ?と思ったが、旅の最中じゃなくても、こんな目に会うのは嫌だから、それは別にいい事にした。
その後半日、痛みの発作は起きていない。このまま痛みが出ないといいのだけど・・・それは、もう、祈る以外に方法は無い。
「結石は、忘れた頃に、やって来る」
あぁぁ、うぅぅ、痛かったよぉ。の巻でした。チャンチャン。
で、結局、カニ焼き屋はやっていなかったというオチ、でした。
お昼ご飯はさろまのお魚市場で網焼き魚貝をたべる
はずだった。と・こ・ろ・が、お魚市場の網焼きコーナーは冬季は休業。そこから、壮大なご飯屋さん探しが始まるのである。結局、朝ご飯にコンビニでパンを軽く食べて以来、何も食べられずに夜の七時まで過ごすことになるのだが・・・それはこのコーナーの地獄の苦しみとは関係ない。
サロマからご飯屋さんを探しに網走まで戻る。網走と言えば、めぐちゃんの実家。網走と言えば、三年前のコインランドリー事件と網走に咲いた花~男って馬鹿だね事件。まぁ、それも地獄の苦しみとは関係ない。
網走の道の駅。おじさまたちが観光情報のペーパーを見ながら盛り上がっている。どうしても網焼きの魚貝が食べたいらしい。発端は僕がお魚市場の網焼きを勧めたことにあるから、文句は言えない。しかしどうして、北海道には、魚貝の網焼きの店なんてそうはない。僕は知っているが、おじさまたちは知らない。だからもう網焼きにこだわるのである。
おじさまたちが観光案内で仕入れた情報を見て、「カニ焼きを食べるぞ!」と言い出した。
「カニですか?」と言いながら、高いなぁと想ったその瞬間に、地獄の苦しみは始まった。
僕はお腹の辺りに違和感を感じていた。なんか・・・痛い感じがしていた。おじさまたちはカニ一直線である。僕は車の後部座席に乗り込む。みるみる内にお腹の違和感は完全なる痛みに変わっていく。
なんでこんなに痛いんだ?僕は後部座席で密かにのたうち回りながら考えていた。痛みはすでに強烈なものに変わっている。右側のお腹が死ぬほど痛い。盲腸か?と疑いを持つ。こんな時に盲腸?次第に右側の腰にも激痛が走り始める。
あっ、と僕は思った。盲腸かと疑いをかけ、腰にも痛みが走り、腰を叩くと気絶しそうなほどの痛みを感じる。・・・これ、知ってる。この痛みを僕は知っている。
これは、例の結石の痛みなのだ。間違いない。間違えるわけもない。何度も味わったことのある痛みだ。
カニ焼き一直線のオヤジたちに、車を停めてくれるように頼みたいのだが、声が出ない。あまりの痛さに声が出ない。歯を食い縛っていないと、痛みで破裂してしまいそうだ。そして息も出来ない。
ナビを見るとカニ焼き屋まであと2キロ。・・・もうすぐだ。耐えるんだ。頑張るんだ・・・シング。
カニ焼き屋に車は停まった。おじさまたちは僕に声をかける。「なぁ、シングちゃん、カニ好きだよなぁ?」
僕は力を振り絞って答える。オナカガイタイノデ、カニハタベラレマセン・・・ドアヲ・・・ドアヲ・・・アケテクダサイ。
僕は右側のお腹に手を当てながら雪の降る中に飛び出した。
フタリデタベテキテクダサイ。ボクハケッセキナノデハシッテキマス。
そんなことをいきなり言われた方も意味不明過ぎて可哀想である。カニ一直線だったおじさまたちも、さすがに心配をしてくれる。「医者に行くか?」
僕はくの字になりながら、ピョコンピョコンと跳ねながら雪道を走る。山道を走る。途中で登りはキツイことに気づき、山道を下る。
雪の中、厚着をしたヘンテコな奴が、脇腹を押さえながら走るピョコンピョコンと走っている。顔面蒼白でカラダをくの字に曲げながら、ピョコンピョコンと走っている。そこに地獄があるとは・・・誰も想うまい。
ラッキーだった。15分ほど走る間に、痛みが収まって来た。車で待っているおじさまたちと話が出来るくらいには収まった。
事情を説明して、もう少し走る。
もう、この痛みと戦うのは五回目だ。今までの四回の内、二回は自分で直した。二回は入院した。
直した二回は、走ったり跳ねたりして直した。入院は嫌だ。
なんで、旅の間にこんな目に会うんだ?と思ったが、旅の最中じゃなくても、こんな目に会うのは嫌だから、それは別にいい事にした。
その後半日、痛みの発作は起きていない。このまま痛みが出ないといいのだけど・・・それは、もう、祈る以外に方法は無い。
「結石は、忘れた頃に、やって来る」
あぁぁ、うぅぅ、痛かったよぉ。の巻でした。チャンチャン。
で、結局、カニ焼き屋はやっていなかったというオチ、でした。