ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

地獄の苦しみの巻

2012-02-21 22:52:38 | Weblog
今日の午後、網走の道の駅。

お昼ご飯はさろまのお魚市場で網焼き魚貝をたべる
はずだった。と・こ・ろ・が、お魚市場の網焼きコーナーは冬季は休業。そこから、壮大なご飯屋さん探しが始まるのである。結局、朝ご飯にコンビニでパンを軽く食べて以来、何も食べられずに夜の七時まで過ごすことになるのだが・・・それはこのコーナーの地獄の苦しみとは関係ない。

サロマからご飯屋さんを探しに網走まで戻る。網走と言えば、めぐちゃんの実家。網走と言えば、三年前のコインランドリー事件と網走に咲いた花~男って馬鹿だね事件。まぁ、それも地獄の苦しみとは関係ない。

網走の道の駅。おじさまたちが観光情報のペーパーを見ながら盛り上がっている。どうしても網焼きの魚貝が食べたいらしい。発端は僕がお魚市場の網焼きを勧めたことにあるから、文句は言えない。しかしどうして、北海道には、魚貝の網焼きの店なんてそうはない。僕は知っているが、おじさまたちは知らない。だからもう網焼きにこだわるのである。
おじさまたちが観光案内で仕入れた情報を見て、「カニ焼きを食べるぞ!」と言い出した。
「カニですか?」と言いながら、高いなぁと想ったその瞬間に、地獄の苦しみは始まった。

僕はお腹の辺りに違和感を感じていた。なんか・・・痛い感じがしていた。おじさまたちはカニ一直線である。僕は車の後部座席に乗り込む。みるみる内にお腹の違和感は完全なる痛みに変わっていく。
なんでこんなに痛いんだ?僕は後部座席で密かにのたうち回りながら考えていた。痛みはすでに強烈なものに変わっている。右側のお腹が死ぬほど痛い。盲腸か?と疑いを持つ。こんな時に盲腸?次第に右側の腰にも激痛が走り始める。
あっ、と僕は思った。盲腸かと疑いをかけ、腰にも痛みが走り、腰を叩くと気絶しそうなほどの痛みを感じる。・・・これ、知ってる。この痛みを僕は知っている。

これは、例の結石の痛みなのだ。間違いない。間違えるわけもない。何度も味わったことのある痛みだ。
カニ焼き一直線のオヤジたちに、車を停めてくれるように頼みたいのだが、声が出ない。あまりの痛さに声が出ない。歯を食い縛っていないと、痛みで破裂してしまいそうだ。そして息も出来ない。
ナビを見るとカニ焼き屋まであと2キロ。・・・もうすぐだ。耐えるんだ。頑張るんだ・・・シング。

カニ焼き屋に車は停まった。おじさまたちは僕に声をかける。「なぁ、シングちゃん、カニ好きだよなぁ?」
僕は力を振り絞って答える。オナカガイタイノデ、カニハタベラレマセン・・・ドアヲ・・・ドアヲ・・・アケテクダサイ。

僕は右側のお腹に手を当てながら雪の降る中に飛び出した。
フタリデタベテキテクダサイ。ボクハケッセキナノデハシッテキマス。

そんなことをいきなり言われた方も意味不明過ぎて可哀想である。カニ一直線だったおじさまたちも、さすがに心配をしてくれる。「医者に行くか?」

僕はくの字になりながら、ピョコンピョコンと跳ねながら雪道を走る。山道を走る。途中で登りはキツイことに気づき、山道を下る。

雪の中、厚着をしたヘンテコな奴が、脇腹を押さえながら走るピョコンピョコンと走っている。顔面蒼白でカラダをくの字に曲げながら、ピョコンピョコンと走っている。そこに地獄があるとは・・・誰も想うまい。

ラッキーだった。15分ほど走る間に、痛みが収まって来た。車で待っているおじさまたちと話が出来るくらいには収まった。
事情を説明して、もう少し走る。

もう、この痛みと戦うのは五回目だ。今までの四回の内、二回は自分で直した。二回は入院した。
直した二回は、走ったり跳ねたりして直した。入院は嫌だ。

なんで、旅の間にこんな目に会うんだ?と思ったが、旅の最中じゃなくても、こんな目に会うのは嫌だから、それは別にいい事にした。

その後半日、痛みの発作は起きていない。このまま痛みが出ないといいのだけど・・・それは、もう、祈る以外に方法は無い。

「結石は、忘れた頃に、やって来る」

あぁぁ、うぅぅ、痛かったよぉ。の巻でした。チャンチャン。

で、結局、カニ焼き屋はやっていなかったというオチ、でした。

白いサロマ

2012-02-21 14:29:41 | Weblog
天気は急変する。急に悪くなれば、急に良くなったりもする。
サロマ湖を歩いたあとすぐに、視界ゼロメートルになった。ここが道なのかどうかも分からないくらい、何も見えない。少し待って、少し進むと、太陽が出て来て青空に変わったりする。今日は基本的に風が強い。風速10メートル以上の風が常に吹いている。

サロマ湖を見晴らせる展望台に上った。

真っ白に氷ったサロマ湖が眼下に広がる。彼方に砂州が見えるものの、まるで海が氷ってるように見える。流氷と違うのは、その面が真っ平らなところだ。
白い氷の平原の、色の違うところは雲の影だ。広大である。壮大である。人が造った建造物など、全部ミニチュアだ。

「全部真っ白じゃねぇか」おじさんはそう言って、展望台を下りていった。

確かに。と、僕は想う。ただの真っ白なサロマ湖だ。
でも・・・。と、僕は想う。夏のサロマ湖は、どこまでも真っ青な海みたいな湖なんだよ、と。

僕は今、真っ白に変わったサロマ湖を眺めている。なんて素敵な出来事なんだろう。叶うなら、氷面に降りていって歩きたい。さっきは吹雪だっから、晴天の下で歩きたい。切にそう願うのだが、叶わない。車に乗せられて、連れて行かれてしまうのだ。

湖面から見るサロマは、サロマ自身が見ているサロマだ。
流氷の時にも思ったのだが、僕は、見下ろすよりも、同じ高さで感じたい。その方がよっぽど、自分のちっぽけさを感じられる。ものの凄さを実感できる。

おじさまたちは、僕が車に乗るなり、お魚市場に向けて、出発したのであった。

さよなら、白いサロマ。また会おうね。

定番

2012-02-21 14:19:32 | Weblog
ホッケの開き。肉厚。巨大。美味しい。美味しい。
それと、イカの一夜干し。柔らかくて美味しい。写真は面倒だからもういいや。

そんなこんなのゆうべの晩餐。おわり。

知床キッチン

2012-02-21 13:38:05 | Weblog
昨日の晩御飯の話。

おじさまたちは酒を飲ませろとうるさい。居酒屋に行く行くとうるさい。
斜里の町に素泊まりの宿をとったので、晩御飯も斜里の町。でも、斜里の町は小さい。繁華街を通り過ぎるのに、二分くらいしかかからない。選択肢は限りなく少ない。
おじさまたちは僕に迫る。どこへいくんだ?酒を飲ませろ!酒が切れたぞ、酒を飲ませろ!おらぁ!

ダダダダッダダダー♬チャキーン♬
しーれーとーこーキッチーン♬

こんなオヤジたちには、酒だけ飲ませておけばいい。問題は、僕が食べたいものがあるかなのだ。で、知床キッチン。またもや、ネーミングが微妙。ポップ過ぎやしないかい?おじさまたちが怪訝な顔をするのが目に浮かぶ。

知床キッチン・・・結果、大正解であった。おじさん一号は、見たこともないくらいヘベレケになるまで、ジャガイモ焼酎を飲んでいたよ。
なんだか、晩御飯時になると、ツアーコンダクターのような気分になるぜ。あぁ、楽しい。

知床斜里ブランドが売りの知床キッチン。小さな町にしては珍しく、夜遅くまで営業している。
ここの目玉は、知床しゃりブランド御膳。地元で認証されたの特産物だけを使用した豪華な御膳。

斜里町前浜で揚がった秋鮭卵のいくらしょうゆ漬け。
雄鮭を塩で〆め、酢とワインで調味し熟成させた鮭酢〆。
雄鮭と道東地区産の玉ねぎ人参、斜里でとれる甜菜糖で調味熟成させま鮭香草〆。
いくらと鮭のルイベを合わせた鮭親子漬け。
カラフトマスを、甘酒に塩を加えた漬け床をまぶして熟成させた、オホーツクサーモン花笠漬け。
斜里町にある牧場で植物性の飼料を与えて育てた、サチク赤豚。
無農薬、有機栽培の斜里産赤紫蘇100パーセントの紫蘇ジュース。
おまけに、鹿ジャーキーとさざ波サーモンの袋詰め。

これで、1500円。なかなかのコストパフォーマンス。

おじさんたちはツマミに色々頼んでいたので、それもちょこちょこつまみながら、豪華な晩餐になりました。

ヘベレケオヤジたちの感想。

「ここは、当たりだなぁ」。

めでたしめでたし。

知床キッチン。酒飲みにもガッツリ食べたい系にもバッチリの、安くて美味しい良いお店です。

グッドモーニングサロマ

2012-02-21 10:50:24 | Weblog
昨日までの晴天から一転、今日は吹雪です。
今僕は、一人でサロマ湖の上を歩いています。一面凍った、日本で三番目に大きい湖の上を、ザックザックと歩いています。
まさか、サロマ湖を歩けるとは・・・夏に来た時には想像も出来なかった。まるで、氷った海の上を歩いているような気分だ。晴れていたら・・・と思わないでもないが、目も開けていられないような吹雪の中・・・これはこれで素晴らしき体験だと思える。

グットモーニング、マイフェイバリットサロマ。

50人くらいの集団とすれ違った。聞くと、氷の研究をしている大学院生の実習をしていると言う。本来、南極や北極で行う研究の実習だということだ。

ザックザックと歩を進めながら、タロージローリキー、綾瀬はるかぁと、叫んでみた。

ツルツル美肌温泉

2012-02-21 01:22:09 | Weblog
ブログを書いてたら、カラダが冷えたので、もう一回温泉に入った。
ここの温泉、、、いい。
斜里はその名もズバリ、ツルツル温泉が有名なんだけど、この旅館の温泉も肌がツルツルになる、いい。

どのくらいツルツルかって言うとね・・・頬杖をついたら、ツルツルっと滑って、ガクッとなっちゃうくらいなんだよ。本当本当。ほっぺたツルツルになったかなって、ほっぺたを触ると、ツルツルっと滑って、腕がビョーンと上にいっちゃうくらいなんだよ。本当本当。

あぁ、温まった。

頭がツルツルにならなくて良かったぜ。お休みっ。

僕は嘘つきだけどね

2012-02-21 00:58:51 | Weblog
何度も言うけれど
君は強くなんてない
何度も言うけれど
君は強くなんてなれない

色んなことに悩むに決まってるでしょ?
色んなことな負けるに決まってるでしょ?
だからなんだ?
だからどうした?

それでいいんだよ
それがいいんだよ
生きてるじゃないか
それが生きてるってことじゃないか
自分ってものじゃないか
それが自分ってものじゃないか

自分は強いなんて
勘違いしちゃいけない
自分は負けないなんて
思い違いをしてはいけない

そもそもの間違いの始まりは
そんなところにある
そもそもの行き詰まりの始まりは
そんなところにある

自分なら出来るなんて
思い違いをしてやしないかい?
自分なら出来るはずだなんて
結局自分をすごいやつだと思ってやしないかい?

僕は弱いよ
笑っちゃうくらいに
僕なんてダメさ
呆れちゃうくらいに

だから僕は生きられる
だから僕は生きていられる
こんなにも自由に
こんなにも不自由に
それが生きるってことだからさ
それが生きてるってことだからさ

何度も言うけれど
誰も強くなんてない
何度も言うけれど
誰も強くなんてなれない

だから世界は
だからこの世界は
こんなにも素敵で
輝きに満ちているんじゃないのかな

グッドナイト斜里

2012-02-21 00:26:50 | Weblog
今日は旅館に泊まってる。布団に入ってブログを書いてる。おじさんたちは九時には寝てしまった。うける。
とても素敵な一日だった。
書きたいことはまだまだあるのだけれど、もう眠たくなってしまったよ。
美味しい斜里の晩御飯の話は、また明日教えてあげるね。
早寝のおじさんたちが、ちょー早起きしないか・・・不安。
もうそろそろ寝なくっちゃ。

グッドナイト斜里。

南極にいるみたいな気分になったんだ。新しいものを観るたびに、新しい何かを感じるたびに、この遥かなる大地を好きになっていく。・・・どうしてここは、こんなにも特別なんだろう?
僕はここで、僕という人間が感じることのできる幸せを、次々と知らされていく。

おら、流氷に乗ってくるだ

2012-02-21 00:02:12 | Weblog
ウトロに接岸した流氷の上を歩いている人が見えた。

おれ、あっちにいってくるねと言って、おじさんたちと別れた。

流氷に乗りたい、流氷に乗りたい。

トコトコトコトコ、流氷に降りられそうな場所まで歩く歩く歩く。
流氷の上を歩いていた団体たすれ違った。
およ?みんなウエットスーツを着てるじゃないか?あれ?大丈夫なの?てか、みんなずぶ濡れになってる。おれは大丈夫なの?
もう後戻りなんて出来ない。トコトコトコトコ歩いて行く。下りて行く。

流氷、見るからに危ない。だって、チャプチャプ言ってる。おぉぉ、怖い。でも、後戻りなんて出来ない。
ピョンピョンピョンと大きな流氷を渡っていく。危ないから、あの流氷まで。もう一個先まで。あと一個先まで。・・・物音がした。キー、キー。と音がする。・・・耳を澄ますと、流氷が鳴いている。動いてる。ぶつかり合って鳴いている。これは、リアルに危ないぜ。

それ以上進むのはやめて、流氷の上に佇んで、夕陽が沈みゆくのを眺めていた。

僕はきっと、流氷が好きだ。かなり、好きだと想う。

ずーっとここにいたいなぁと想いながら、夕陽が沈んだ後も、そこに佇んでいた。

僕は流氷が好きだ。

落ちなくて良かった・・・。

流氷の鳴き声、君にも聞かせてあげたかったよ。