ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

小人が教えてくれたこと

2012-05-07 16:37:23 | Weblog
たくさんの小人のうち、僕と話をしてくれたのは二人。

目が合ったので、僕から話しかけた。最初の小人はジブ。
ジブは、花粉症の人がかける眼鏡をしていたが、花粉症ではないらしい。
ジブは、自分の言葉が僕に通じないと思っていたらしく、考え込んでから、言葉を選んで慎重に話すので、なかなか話が進まない。山から湧き出る湧き酒を飲んで、酔っ払っている。
いい温泉を教えてくれと言うと、教えてくれた。値段はいくら?と聞くと、5000円で泊まれると言う。泊まるんじゃなくて、お風呂だけは?と聞くと、お風呂も安いと言う。お風呂はいくら?と聞くと、6000円で泊まれると言う。おれ、キャンプするから、温泉には泊まらないんだよ。と言うと、キャンプするのかぁ?ここでかぁ?と聞いてくる。我々のすぐ横に、僕のテントが立ててある。そして、その後も何度となく、5000円で泊まれる・・・の会話が繰り返されるのである。

そこに現れたのが、二人目のリー。「言葉、通じてんの?」と言って、ジブの肩を突ついた。
リーの言葉は100パーセント分かる。

リーは色々なことを教えてくれた。例えば街の歴史のこと。例えばりんご畑のこと。例えばこの街を走る電車のこと。庭づくりのこと。

僕は、いい温泉がないか聞いてみた。たくさんあると言う。小人たちも温泉が大好きらしい。
リーが目ぼしい温泉をピックアップしてくれている間、ジブは、アップルランド、アップルランドと言っていた。アップルランドも温泉らしい。

ジブの言うアップルランドはともかく、リーは最後に素敵な場所を教えてくれた。
・・・床下に小人が住む家・・・

とにかくその場所には行ってみよう、そう想った。
だって、小人が小人の住む家を教えてくれたのだから。