ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

嵐の夜に。

2013-12-12 22:57:36 | Weblog

今、家です。家っていいねぇ。もう、旅なんて行きたくないよ。家がいいよねぇ。薪ストーブでぬくぬく。仕事も旅もしないで、家がいいよねぇ。何がいいって、今日の宿の心配をしなくていいんだから。何日も同じ服を着続けなくてもいいんだから。入りたい時にお風呂に入れるんだから。真っ暗闇の中、波の音を聴きながら眠らなくてもいいんだから。満天の星空に包まれながら歯磨きをしなくてもいいんだから。真っ白過ぎる息を吐きながら、真っ白な明日の予定を考えなくてもいいんだから。
もう旅なんて・・・行かないよ。はぁ、疲れた疲れた。まいったまいった。

今治の夜の話。
23時頃に眠りに落ちたのだと思う。雨の夜だね。
なんかうるさかった。東屋の下にテントを張ったのに、雨がテントを叩く音が聞こえる。ひどく大きく聞こえる。頭にテントの壁が当たってくる。なんなんだ?

目を開けて、見回すと・・・三角形のはずのテントが、三角形ではなくなっている。そして、グォングォンと揺れている。
なんだ?風か?嵐か?寝ぼけた頭で考える・・・。テントが・・・飛ばされるぞ?おれごと。

外に出る。東屋の下にもざんざんと雨が吹き込んで来ている。突風。嵐。うわぁ・・・怖いじゃん。
テントを地面に留めてあるペグが、ほぼすべて抜けている。風で飛ばされて遠くに散らばっている。

テントを建てる時には無風だったから、片付けのことを考えて緩く打ってあったのだ。それが全部根こそぎドバーンと。

吹き込んでくる雨にずぶ濡れになりながら、ペクを拾っては砂地に深く深く打ち込む。なんなんだ?

なんとかテントを固定して、中へ。濡れた服を脱いで、再び寝袋の中へ。テントは固定されたが、突風にさらされている事に変わりはない。グォングォンとテントは揺れる。・・・。

携帯を覗くと2時半だった。メールがいくつか届いていた。誕生日おめでとう、と書かれていた。・・・はっ、そうだ、誕生日だった。

新しい歳に初めてしたことは、嵐の中でペクを打ち直したこと。笑った。

そのまま、雨の音と突風がテントを揺らす音や悩まされ、うつらうつらとする状態が朝まで続く・・・と。

朝になって、外に出て、雨は止んでいて、風は少し強いけど晴天で。目の前には青い青い瀬戸内の海が。

なかなかいい誕生日じゃないか。

そんなことを、僕は思ったのさ。