ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

ときめきメモリアルと最新の統計理論。

2015-05-16 23:02:52 | Weblog
えっ?十日もblogを書いていなかったって・・・みなさん、知っていましたか?

ビックリしたなぁ、もう。誰も教えてくれないんだもん。ひどいわぁ。ひどすぎるわぁ。忙しいと思ってたとか、ないわぁ。それ、ないわぁ。忙しいわけないし。

ニュースは目白押しなんだけど、何を書くっかな。おれ、今日、110番に電話しちゃったし。初めて。「事件ですか!!!事故ですか!!!」って聞かれちゃったし。ニュースには事欠かないんだけどね。何を書くっかなぁ。

じゃあ、シナロケの続き。

公民館のコンサートに度々出演していた。という話は書いた。書いたね。

都内のライブハウスなんかに出演するようになって、公民館のコンサートになんて出てらんねーよ!という頃になっても、頼まれたりなんだりで、ちょこちょこ出演していた。

そんなある日のこと。

電話がかかってきた。電話の主は女の子。見知らぬ彼女はこういう。
「公民館のコンサートで演奏を見たんですけど、すごく素敵でファンになってしまいました」

ほぉほぉ。悪くないね。こういうの、悪くないね。と思うのである。
ミュージシャンの端くれなのでね。逆に、こういうのが無いと困るのである。

見知らぬ彼女は、続けてこう言う。
「バンドのお手伝いというか、スタッフみたいなことをやらせて欲しいんです!ぜひ!ぜひ!ぜひ!」

なるほどね、そう来たか。なるほどね。

とりあえず、スタッフなど要らない。スタッフなど要らないが、押しの強い見知らぬ彼女には興味がある。

「とりあえず、来月にライブがあるからさ、その時に声を掛けてよ」
と言って電話を切った。

彼女は「藤崎です」と名乗った。

藤崎と言えば、「藤崎しおり」である。知ってる?トキメキメモリアル。通称トキメモ。当時、時代を席巻していたゲーム。そのゲームの主人公、藤崎しおり。

藤崎です。と名乗った見知らぬ彼女の下の名前は、電話を切った直後から「しおり」になっていたのである。

僕の知り合いにエムという人物がいる。
僕は、エムと会った時に、事の顛末を話したのである。

エムの反応は、すこぶる良いものであった。食いつきが半端ない。それもこれも「藤崎」という苗字のせいである。エムはその時すでに「しおり嬢」と呼んでいた。

エムが僕に聞く。
「その子さ、声低かった?」

僕は答える。
「うん、低かった」

エムが僕に聞く。
「その子さ、愛想が良かった?」

僕は答える。
「全然良くない。ぶっきら棒な感じ」

エムはアゴをさすりながらフムフムト頷く。そして言う。
「しおり嬢、確実に可愛い子だね。スタッフにするべきだね。だって、可愛いに決まってるからさ」

何を根拠に?と思うのである。

エムが開発した最新の統計理論によると、声が低いand無愛想な受け答えをする子は美人、ということになるらしい。
エムは、自信たっぷりに頷く。

エムもエムだが、僕も僕なのである。
「しおり嬢、可愛いのかぁ・・・」と、ニヤついてしまうのである。だって、仕方ないのである。

ライブ当日。

僕よりもワクワクしているエムがいるのである。
「しおり嬢来た?まだ?美人だからすぐに分かると思んだけどな」とかなんとか言いながら、そこら辺をウロウロキョロキョロしている。

そして、その瞬間が訪れるのである。

「こんにちは、藤崎です」と、僕とエムの前に立った女の子は、銀縁眼鏡をかけた、小学生の男の子のような、なんていうのかな・・・確実にしおり嬢ではない、女の子であった。

エムがソロソロと僕のそばを離れて行こうとする気配を察して、僕はエムの肩にパンチを入れるのである。
「おい、こら、ボケ、何が最新の統計理論なんだ?こら、ボケ、殺すぞ」ということなのである。

元々スタッフを必要としていなかった僕らのバンドは、藤崎さんの申し入れを丁重に断ったのだが。。。
藤崎さんは強かった。手強かった。何かにつけて現れては、スタッフにしろしろとせがんでくる。
知らないうちに、バンドの練習をしている時、スタジオの片隅に藤崎さんが椅子に座って聴いている・・・なんて状況になっていく。

その後に組んだバンド、アニーズガーデン。その初代スタッフの座を、藤崎さんは射止めるのである。

みんなに「フージ」と呼ばれて可愛がられた藤崎さんを、僕とエムとマコが「藤崎嬢」と呼んでいたのは、そんな理由があるからなのである。

そんでもって、エムの80パーセントはインチキで出来ていると、悟った僕なのである。

シナロケ、全然関係なかったね。

つづく。