スケルトンハウス‐きまぐれCafe

生活とビジネス

そのときの思いや状況で、いろいろなことを話し合ってきた喫茶店。きまぐれに、思いつくままに・・・

土地政策を考える

2010-10-09 09:32:58 | 社会・経済

  最近、離島で他国の人に土地を売却しているとか、日本の領土の無人島に外国人が居住しているとのニュースが流れていたが、その後のわが国政府の対応が報じられてこない。日本政府は固有の領土についてどう考えているのでしょうか?

  土地を韓国人に売却していて話題になったのは、長崎県対馬。距離的には九州本土よりも韓国釜山のほうがはるかに近い。過疎化による財源不足に悩む対馬市が、相手構わず市有地の売却を進めているとのことです。

  外国人が居住している、あるいは居住しようとしているとして報道されたのは、島根県隠岐郡の竹島と沖縄県石垣市の尖閣諸島です。
  竹島には韓国が民間人の居住をすすめ、尖閣諸島魚釣島へは中国が民間活動家を上陸させているとして話題になりました。
  また、
201097日には尖閣諸島海域で中国漁船がわが国の巡視艇に衝突し、業務執行妨害で船長を逮捕・拘留していることが中国の反発を招き、国際的な政治・経済問題になっているとの報道があります。


  その土地を領有しているものの、外国人の居住割合が過半数を超えるようなことになれば、わが国が領有を主張しても、国際社会では『住民による帰属の選択』が民主的であるとの考え方が主流となってきており、結果として北方四島の二の舞になりかねません。

  対馬、竹島、尖閣諸島は、いずれも日本の“国境の島々”です。わが国政府には国境におけるリスク管理をもっと重要に考え、防衛策が実施できるようにしておくことが必要ではないでしょうか。




  学生時代に学んだことの一つに農業政策があります。この課目ではわが国の農業振興策、農地開発、農産物の流通、農家の事業所得改善などが主でしたが、農地の在り方というテーマもありました。このテーマでは、農地や山林は国、自治体の所有とし、農家は必要とする土地や山林を借り受けて生産活動をする。農地や山林を個人所有にしておくと、別の目的で売買、開発され、優良な農地、山林が喪失することになる。優良な農地、山林を維持する責任を個人に担わせるのは理不尽であり、国の責任として取り組むべき課題であろうという意見が趨勢でした。


  学生時代には、早稲田大、中央大、日大などの学生とも交友があり、書生っぽく『国家とは』といったことについて幾度と無く、夜明けまで議論したものです。
  学生運動が盛んだった時代です。体制の全てに対抗する運動家からは、私たちは“ノンポリ”に分類される学生でした。とはいえ、新宿地下広場などで反戦フォークゲリラ活動を行い、警官隊から逃げ回るようなこともしていました。


  その後社会人となって不動産業界にも関わり、パリ、フランクフルト、ローマ、ロンドンなどの不動産会社を視察する機会に恵まれました。この視察で、『土地は国のものである。土地自体には価値がなく、土地の上で何をするか、どう利用し、付加価値を高めているかに価値が有る。したがって、日本のように土地のみを売買する取引は成立しない。』という土地に対するヨーロッパ流の考え方に衝撃を受け、長年忘れかけていた『国家とは』という考えに立ち返る切っ掛けとなりました。



  『国家』とはあまりにも抽象的でみどころのないものです。国民一人一人は何となく“そのつもり”でいるという不思議なものだと思います。一定の国土(領土)があり、領海、領空、更には経済水域が国際協定で承認されており、この一定の範囲に居住する人達が、その国の法律によって生活を保護され或いは制限を受ける。この国民一人一人の漠然とした、或いは混沌とした帰属意識によって支えられている状態を国家として共通認識しているに過ぎないのだと思います。

  このようなことから国家を考えると、国家は、①国土(領地、領海、領空)、②国民、③国民に依る経済的活動とによって形成されていると言えるのではないでしょうか。

  そう考えた時、国家の三要素の一つである国土を分割し、私有物とすることに問題はないのでしょうか。自由に売買させてよいのでしょうか。まして、外国(人)に売却していいのでしょうか。私の持論では、「
No」になります。それでは国土は守れない。
  土地は国有化する。国有化のための買い戻し策は別途検討しなければなりませんが。国有化した土地の利用者からは、今の固定資産税を下回らない賃貸料を徴収するなども検討しなければならない課題となるでしょう。

  わが国領土の全てが国有地であれば、竹島のようなことは起こらない。無人島にあっては自衛隊が駐屯あるいは毎日、海上自衛隊や海上保安庁による巡視を実施するなど、外国民間人が居住するという『既成事実の醸成による国境の島々の実行支配』を未然に防ぐ対策強化にも真剣に取り組むことができるのではないでしょうか。




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