スケルトンハウス‐きまぐれCafe

生活とビジネス

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32年前の10月、日本と中国は平和友好条約にサインした

2010-10-30 09:10:25 | 社会・経済

    201097日に尖閣諸島海域で中国漁船がわが国の巡視艇に衝突し、業務執行妨害で船長を逮捕・拘留した事件以来、中国での反日デモが複数の都市で発生しています。デモの参加者・野次馬は半ば暴徒化し、日本製自動車の打ち壊しや日系企業・商店への投石・破壊が行われています。

  デモの首謀者は、

「反日デモを呼び掛けたのではない。日本製品の不買運動や政府による失業者全員への就業機会の斡旋を要望しているのだ」
と弁明しているとのことです。しかし、なにをどう言おうと、結果は反日デモとなっており、詭弁に過ぎないと思います。

  また、デモ参加者だか野次馬だか分かりませんが、近年彼らの反日運動が激しくなっているのは、江沢民首相時代に始まった中国の愛国教育が根底にあるとの評も伝えられています。
  行き過ぎた愛国精神はともすれば国粋思想に成りかねません。




    32年前の今月、わが国と中国の間で画期的な出来事がありました。


  それは
1978年(昭和53年)1022日のことです。


  中国から最高指導者の�眷小平副首相が来日しました。新中国の最高指導者が来日するのは戦後初めてのことです。目的は『日中平和友好条約批准書』を交換することであり、首相官邸で福田赳夫首相と�眷小平副首相立ち会いのもとで行われ、即時発効しました。
  これにより日中関係は「戦前からの長い不幸の時代に終止符を打ち、新しい時代に入った」と華々しく報道されたものです。

  一般に『日中平和友好条約』と云われているのは、
1978812日、東京でわが国と中華人民共和国との間で締結された「日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約」のことです。

  この条約は、
1972年の「日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明」(日中共同声明)を踏まえて、日本と中国の友好関係の発展のために締結された条約です。

  内容は基本的に日中共同声明の文面を踏襲したものとなっています。
  主権・領土の相互尊重、相互不可侵、相互内政不干渉が記述されているのが特徴です。
  中国側は賠償金請求を放棄する代わりに、日本側から
ODA等の巨額な経済援助を引き出し、その後の経済成長に繋げました。


  更に
19981122日、『平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同宣言』(略称、「日中共同宣言」)が江沢民国家主席と小渕恵三首相とによって発表されました。


  理由はどうであれ、今日の中国での反日運動はこれらの共同声明、条約、共同宣言に相反する動きであり、中国国民が日中間での合意事項を知らなさ過ぎるのか、はたまた中国政府が自国経済の発展を背景に、過去の合意を反故にしようとしているのではないかと思いたくなるのが現状ではないでしょうか。



《日中共同声明》

『日中共同声明』(日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明)とは、日本と中華人民共和国が国交を回復するために
1972929日、中華人民共和国の北京で、田中角栄首相と周恩来国務院総理とによって調印された共同声明です。


<共同声明の要旨>

○日中国交正常化の実現。

○日本国と中華人民共和国との間のこれまでの不正常な状態は、この共同声明が発出される日に終了する。

○日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。

○中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。

○中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する。

○日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に両国間の恒久的な平和友好関係を確立することに合意する。

○両政府は、右の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、日本国及び中国が、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し、武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。

○日中両国間の国交正常化は、第三国に対するものではない。両国のいずれも、アジア・太平洋地域において覇権を求めるべきではなく、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国あるいは国の集団による試みにも反対する。

○日中平和友好条約の締結を目指す。



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