インターネットの基礎である『IPアドレス』のIPv4が、先月3日(2011年2月 3日木曜日)を以って、IANA(Internet Assigned Numbers Authority)の在庫が底をついたと発表されました。
インターネットの黎明期からWeb2.0時代とグローバルなインターネット社会の形成の礎ではありましたが、これによって一つの時代が終わり、インターネットが新しい時代へと移っていく象徴的出来事だと思います。
(注)IANAは、グローバルにインターネットで利用されるIPアドレス、ドメイン名、AS(autonomous system)番号、プロトコル番号、ポート番号などの割り当てと調整を行う機関。
現行のIPアドレスであるIPv4(アイピー・バージョン4)は1981年に規格化され、48億個(二進数、32桁)ありました。
スマートフォンやタブレット型端末機の普及、中国など経済成長が著しい国々でのインターネットの広がりなどによって、IPアドレスが配布され尽したことになります。
だだし、これは国際管理団体(ICANN)の在庫についてのことであって、世界を256ブロックに分割し、5つの地域管理団体に割り当て配布された在庫が底をついたのではありません。
しかし、この地域管理団体が在庫するIPアドレスも順次底をつくこととなり、『今年(2011年)10月にも枯渇する。』と関係研究員は推計しています。
とはいえ、この状況が即座に私たちエンドユーザーに影響するものではありませんので、慌てることはないと思います。
テレビのアナログから地デジへの移行とは少し様相が違っています。
国際管理団体からIPの割り振りを受けて各国の管理団体に割り振っている地域管理団体、プロバイダーに割り振っている各国の管理団体、エンンドユーザーにIPを割り振っているプロバイダーと、上位階層から順に在庫が尽きることになります。
IPv4はこれまで通り使えますが、早晩、割り当てを受けることができないユーザーが出てくることは必至です。このため、管理団体及び、わが国であれば総務省や業界団体などの関係組織では、次世代アドレス『IPv6』への移行作業が進められています。
既に、NTTの「フレッツ光」がIPv6でサービス提供されていることからも分かるように、暫くはIPv4とIPv6が併用されることと思われますが、何れの日にか、全てのユーザーがIPv6に移行しなければならない時がくるのも必然です。
因みに、IPv6は二進数で128桁あり、約340澗という膨大な個数を提供できるとのことです。
(注)1澗(かん)=1兆×1兆×1兆