3月26日(水)、国土地理院は日本の主な山岳1003峰の標?を最新の測定?法で測量をやり直した結果、4月1日付けで、48の山について標高を1m高く、39の山を1m低く改定すると発表しました。
人工衛星を使った精密な測量データなどを反映した結果、標高の数値を見直すことになったとのことです。
標高とは、地理での高さ表現の一つで、各国で決められた平均海面からの高さです。
日本では、本土から遠く離れた離島を除いて、東京湾の平均海面である「東京湾平均海面(Tokyo Peil:T.P.)」 を標高の基準としています。実際の測量の基準点としては、国会議事堂(東京都千代田区永田町1丁目)前庭洋式庭園内(国会前庭北地区、憲政記念館構内)にある日本水準原点標庫とよばれている建物内に設置された日本水準原点を用いています。
日本水準原点設置当初(1890年)、この場所は古くからの台地上にあり、地盤沈下の影響を避けることができる。また標庫の基礎は地下10m以上の安定地層から築いてあるので、原点の高さに狂いが生じる心配はないとされていましたが、1923年の関東大震災による地殻変動や、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による地盤沈下により東京湾の平均海面からの標高が変化しました。
なお、海抜(かいばつ)も高さを表す表現で、一般的には「標高」と同じように用いられていますが、東京湾ではなく、近くの港湾などの平均海面を基準とした地理的な高さ表示です。
山岳の標高が高くなったり、低くなったりした場合、個別の山の高さの順位が変わる場合があります。もし、ある山がその地域の観光資源とされているなどした場合、大きな反響を呼ぶことも考えられます。
昨年〔2013年(平成25年)〕6月22日に「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の名で世界文化遺産に登録された富士山は、これまで3776m24cmだった標高が、今回の見直しの結果、12cm低くなっていたが、測量結果には誤差があることを前提に、メートル以下は四捨五入して公表値としていることから、富士山の標高は3776mと、これまでと変わらないとしています。
【関係サイト】
○ 国土地理院日本の主な山岳標高
―日本の山岳標高一覧(1003山)―