書名:優しい死神の飼い方〔A6判;文庫本〕
著者:知念実希人
発行所:株式会社 光文社
初版発行日:2016年5月20日
ジャンル;日本文学/ミステリー
「優しい死神の飼い方」は、2013年11月15日付けで、光文社より:四六判ソフトカバーで発行されました。
「BOOK」データベースの内容紹介です。
犬の姿を借り、地上のホスピスに左遷…もとい派遣された死神のレオ。戦時中の悲恋。洋館で起きた殺人事件。色彩を失った画家。死に直面する人間を未練から救うため、患者たちの過去の謎を解き明かしていくレオ。しかし、彼の行動は、現在のホスピスに思わぬ危機を引き起こしていた―。天然キャラの死神の奮闘と人間との交流に、心温まるハートフル・ミステリー。
知念 実希人(ちねん みきと、1978年10月12日 生 )は、医師です。2011年、『誰がための刃 レゾンデートル』で“第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞”を受賞。医学的知見に溢れた著作が多い。
以前、竹林七草氏著作の「お迎えに上がりました。」シリーズを紹介しました。このシリーズは地縛霊をその地から解き放つ話ですが、「優しい死神の飼い方」は、死を迎えようとしている人の魂が、死後地縛霊にならないよう、地縛霊になる素となるやり残した事への『未練』が残らないようにするという、主人公・“死神レオ”の奮闘記です。
この話は、「死」に至るまでの、人として如何に「生」きるかを、暗に語っているように思います。
小説の3か所、主人公の自己紹介があり、その変化のしようが面白い。
一つ目は、プロローグの初め。
「私は犬の肉体に宿り、地上に降り立った高貴な霊的存在である。地上ではまだ名前がないと言っていいだろう。今の私は人間が『ゴールデンレトリバー』と呼ぶ」雄犬に見える。
二つ目は、プロローグの最終。朝比奈菜穂に拾われてから。
「私は犬の体に閉じ込められている死神である。名前は『レオ』となったらしい。
そして三つ目は、エピローグの最終。
「私は犬の姿をした天使である。名前はレオという。・・・」
この話の全てを物語っているような気がします。
2018年1月20日付けで、シリーズ第二弾となる文庫「黒猫の小夜曲」が光文社より発行されました。これは、2015年7月16日付けで、光文社より:四六判ソフトカバーで発行されたものの文庫化です。
書名:黒猫の小夜曲〔A6判;文庫本〕
著者:知念実希人
発行所:株式会社 光文社
初版発行日:2016年5月20日
ジャンル;日本文学/ミステリー
<「BOOK」データベース>
黒毛艶やかな猫として、死神クロは地上に降り立った。町に漂う地縛霊らを救うのだ。記憶喪失の魂、遺した妻に寄り添う夫の魂、殺人犯を追いながら死んだ刑事の魂。クロは地縛霊となった彼らの生前の未練を解消すべく奮闘するが、数々の死の背景に、とある製薬会社が影を落としていることに気づいて―。迷える人間たちを癒し導く、感動のハートフル・ミステリー。
「黒猫の小夜曲(2015年7月16日 四六判ソフト 光文社)」
<ばらのまち福山ミステリー文学新人賞とは・・・デジタル大辞泉プラスの解説より>
日本の文学賞のひとつ。長編ミステリー小説を対象とする公募の新人賞。広島県福山市が同市出身の推理小説作家、島田荘司の提案を受けて2008年に創設。最終選考は島田荘司が行い、受賞作は講談社・光文社・原書房が持ち回りで刊行する。単に「福山ミステリー文学新人賞」とすることもある。
【関係先】
○ 島田荘司選 福山ミステリー文学新人賞
○ 光文社
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