スケルトンハウス‐きまぐれCafe

生活とビジネス

そのときの思いや状況で、いろいろなことを話し合ってきた喫茶店。きまぐれに、思いつくままに・・・

鰤起こし(ぶりおこし)

2021-11-06 08:46:02 | 日記・エッセイ・コラム

 


 今年(2021年)はオリンピックやパラリンピック、お盆以降・8月の下旬は大変な歴史的雨が降り各地に災害を齎しました。雷も多く発生しました。おまけに暑い。毎日真夏日(30℃)を超えています。10月の中旬には近畿地方でも寒気が降りてきて寒い毎日が続いています。

 日本海側の天候は荒れていて、随分寒いのだろうなぁ。

 従来の年であれば、晩秋以降から11月半ば乃至12月の初冬にかけて北陸地方(石川県や富山県)では寒く雷が鳴る大荒れの日  ― 猛烈な風が吹き荒れ雷が激しく鳴り響く日 ―  があります。

 雷が鰤(ぶり)を誘い出し、雷の後で豊漁になることから、つまり、この時期に日本海を回遊している寒鰤(かんぶり)が、初冬に発生する雷と伴に獲れ始めることから「鰤起こし」といわれています。つまり、寝ている鰤を「起こす」という意味をかけているものと思われます。

 この時季にあがるぶりは「寒ぶり」と呼ばれ、特に富山湾で獲れる寒ぶりは産卵前で最も脂がのって美味しいとされ、ブランド品として取引されています。栄養素的には、ぶりはDHAが豊富に含まれています。

inazuma


 北陸地方や新潟県、山形県庄内地方、秋田県などの日本海沿岸では、冬季に目立って多く発生することから冬季雷とも呼ばれています。冬季雷は、夏期のものが積乱雲から地面に向かって放電するのに対し地面から積乱雲に向かって、上向きに放電し、発生高度も300ないし500メートルと低い。(夏季の雷の発生高度は3,000ないし5,000メートル)落雷数こそ少ないものの発生のメカニズムから夏季の雷より数百倍のエネルギーを持つものが確認されるほか、一日中発雷することが多く雪やあられを伴うことが多い。また、はっきりとした落雷が無くても瞬間的な停電などの被害が出ることもあります。海岸線から35キロメートル以上の内陸部では少ないと考えられています。
 更に、冬季の雷には愛称があることが多く、「雪起こし」、「ぶり起こし」、「雪雷」などのような方言がみられます。特に、「雪起こし」、「ぶり起こし」、「雪雷」などが観測された場合は冬の始まりであると言い習わされています。

 秋田地方では鰰を雷に纏わる魚としています。鰰は「カミナリウオ」とも呼ばれています。鰰は晩秋から冬の初め、雷が多く鳴る季節に産卵のため沿岸部に現れます。この地方では昔雷が鳴ることを「はたたく」といったそうです。ごろごろと鳴る雷の音を表した擬音だと言われています。また「鰰」は“カミのサカナ”と書いて「はたはた」と読みます。「はたがみ」という雷の神様をたとえて「鰰」と書くようになったのだそうです。



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「ぶり」の呼び名








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