刃物の切れ味を復活するには、研ぎ出すのが唯一の方法です。
刃物研ぎの時に注意することは、研ごうとする刃物が出刃包丁や柳刃包丁などの和包丁のように“片刃”のものと、牛刀やペティナイフなどの洋包丁のように“両刃”のものがあり、この刃立の違いに合わせて研がなければならないことです。
刃物研ぎの道具は砥石だけです。
一時的に切れ味を復活させる道具であるシャープナーには様々なものが出ていますが、問題があるようです。
砥石で刃出しをするには、少しの“こつ”と時間が必要です。「この研ぎ方の基本」については最後にお話します。我が家ではズッと私が“包丁研ぎ”をしてきています。
写真の左から、荒砥・中砥・仕上砥です。いずれも人造石で、41年前に購入し、使用しているものです。
荒砥(SUN TIGER SHARPNING STONE:金剛トイシ)は松永トイシ株式会社製、中砥(アランダム#1000)と仕上砥(アランダム#1800)は現在KAIグループの貝印刃物株式会社製です。
刃物研ぎの“こつ”を簡単に表現するなら、砥石に刃を密着させて前後に30回程度擦り付けることであり、片面を研げば「返り(かえり)」と呼ばれる“ばり”ができるので、反対の面も同数擦り付けて“ばり”とりをすれば、刃が起ってきます。
さて、先に申した通り、我が家での包丁研ぎは私がやっているのですが、今後を思うと女房でも切れ味復活が容易にできるものでなければならないと考え、2012年秋に株式會社高儀のトリプルシャープナー(片刃用、両刃用、鋏用)を購入しました。
そして、2013年1月19日(土)、スーパーに行ったときクレバーシャープに出会いました。
売り場で流されていたPVで、パン切用などの波刃のナイフやセラッミック製ナイフにも使えるとのことなので購入しました。
クレバーシャープのPVはYou Tube にもUpされていて、多くの方がアクセスしているようです。
シャープナーと言えば、最近(2020年以降)では「バイエルンエッジ」が流行っているようです。シャープナーは時代とともにその姿を変え、色々と出てくるようです。
これらのシャープナーは一時的に切れ味をよくするものです。刃を浅くギザギザにして掛かりを良くし、一時的に切れ味が戻ったかのようにしているだけなので、何度か使うと、刃が無くなり、切れなくなります。こうなるとやはり、砥石で研ぎ出さなければなりません。
また、刃毀れしたものを欠損部分が無い状態にしたい場合には、やはり荒砥やグラインダーで凹みが無くなるまで刃を研ぎ出し、仕上げていかなければなりません。当然のことながら、刀身は細くなります。
≪包丁の研ぎ方≫
①使用する砥石を5分程度水に浸しておく。
②平らな場所で、濡れタオルなどの上に砥石を安定させて置く。
③片刃の場合は刃表、両刃の場合は表面とも、砥石の面から15℃の角度を保って研ぐ。
片刃の刃裏は角度をつけずに研ぐ。
④角度を保ちながら、包丁を前後にゆっくり動かす。刃先(包丁の先端)からアゴ(包丁の握り手に近い部分)まで全体に “返り”が出てくるまで研ぐ。
⑤片面を研いだら、包丁を裏返し、同じ要領で裏側を研ぐ。
両刃は表と裏を同じ回数研ぐ。
片刃は、刃表を20回、刃裏を3回の割合で研ぐ。
刃毀れが無ければ中砥、仕上げ砥で合計二回繰り返す。
刃毀れが有る場合は、荒砥で刃の部分に凹みが無くなるまで研ぎ、中砥、仕上げ砥と研いでいく。
<金剛トイシ>
炭化珪素を原料に使用し、シリケート法と呼ばれる低温で焼成したもの
<アランダム:Alundum>
アルミナ鉱石をアーク炉で還元溶融し固化させた純度90~95%の人工コランダム(corundum:酸化アルミニウムの結晶からなる鉱物)結晶
【関係先】
○ 松永トイシ株式会社
○ 貝印グループ
○ 株式會社高儀
○ クレバーシャープ【CJプライムショッピング】 (You Tube)
〇 バイエルンエッジ【株式会社テレビショッピング研究所】