フジパンのテレビcmを見ていて、BGMとして流れている曲が、昔聞き覚えた曲であることに気が付きました。
フジパン株式会社が発売する携帯型サンドイッチ「スナックサンド」のテレビCMでは『スナックサンドのうた』をCMソングとしてBGMとして流していました。
どうやら「東京節」と言って明治時代に作られ、大正時代に流行った曲のようです。------------こんな古い曲を覚えているなんて、どうしたことだろう。
「ナミさんたらギッチョンチョンでパイのパイのパイ…」
うろ覚えなので正確性はどうも…。そんな訳で調べてみました。
よく遊びに来ていた親父の友人で、同じ勤め先で、出兵先が同じ外地帰りの“もりながさん”という人が歌っており、我が家に伝播したらしい。当時コメディアンの「エノケン(榎本健一)さん」が歌っていたらしい。
幼い上の姉が(当時13歳くらい)、この歌を歌うと大変怒っていたのを思い出します。 「ナミさんたらギッチョンチョンでパイのパイのパイ…」を自分のことを言われたと思っていたらしい。「左巻きでパー」と思っていたらしい。 何せ渾名(あだな)が「なみさん」というのだから…。
“もりながさん”も面白がって『ナミさんたらギッチョンチョデでパイのパイのパイ』と唄っていました。
正しい歌詞を調べてみたら、一番は次のようでした(エノケンバージョン)。
うろ覚えの歌詞とは全然違いますね。
コーラス部分の「ラメチャンタラ ギッチョンチョンで パイノパイノパイ」は、日本の民謡の囃子言葉のように、歌の調子を整える意味のない言葉らしいです。
「ラメチャン」の「ラメ」は、「デタラメ」の「ラメ」に由来していると思われます。
「ギッチョンチョン」は、お座敷歌『ぎっちょんちょん』から転用されたものではないかと思われます。
江戸時代に流行していた『ビヤボン節』が原曲のようです。「ビヤボン」が「ぎっちょんちょん」に差し替えられてリメイクされたらしいです。
このお座敷歌における「ぎっちょんちょん」は、歌詞の合間に差し込まれる意味のない合いの手・囃子詞(はやしことば)として使われています。
「パイ」は、大正時代の日本で当時新しかった洋食の一つだし。後述の「フライ」も同様です。
「パリコと」の「パリコ」とは、1918年に終結した第一次世界大戦の戦後処理として、1919年に締結されたパリ講和会議を意味しています。日本からは元老・西園寺公望が全権大使としてパリに派遣されました。
「パナナ」とは、果物の「バナナ」をもじったものだろうと思われます。当時はまだバナナは貴重品で、一般庶民には高嶺の花でした。
「フライ フライ フライ」は、大正時代の日本で流行した洋食の一例を取り上げたものと思われます。当時は、ポークカツレツ(とんかつ)、コロッケ、カキフライ、エビフライなどのフライ物が流行っていたようです。