今年の正月早々の新聞で、中国がレア・アースの生産規制強化に動いており、生産調整→輸出削減に至るとわが国のハイテク産業が成り立たなくなるといったようなことが報じられていました。
レア・アースって何?
中学、高校の物理を思い出そう!
レア・アースは希少金属(レア・メタル)の一種で、希土類とも言われています。
希土類って?
物理で希土類元素(rare earth elements)と言っていたのを思い出しました。
原子番号21番のスカンジウム(Sc)、39番のイットリウム(Y)、そして57番のランタン(La)から71番のルテチウム(Lu)までのランタノイドの計17種類です。
??この元素名の羅列、何だか懐かしいな~!
(45年前を思い出せ~。)
(そうだ!先生に教えてもらった元素の覚え方。)
スイヘイ リーベ ボクノフネ
ナマガル シップス クラークカ
・・・・・・………………………………………・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
水素(Hydrogen)ヘリウム(Helium)
リチウム(Lithium)ベリリウム(Beryllium)
ホウ素(Boron)炭素(Carbon)窒素(Nitrogen)酸素(Oxygen)フッ素(Fluorine)ネオン(Neon)
ナトリウム(Natrium)マグネシウム(Magnesium)アルミニウム(Aluminum)
塩素(Chlorine)アルゴン(Argon)カリウム(Kalium)カルシウム(Calcium)
・・・・・・………………………………………・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
原子番号1番から順番に元素名を語呂合わせで繋いだものです。
(ん? ♪スイヘイ リーベ 僕の船・・・・♪)
(最近、こんな歌を聞いた気がする。)
(TVだ!)
NHK教育チャンネル土曜18:00~18:25『エレメントハンター(ELEMENTHUNTERS) 』のエンディングテーマです。
「かっきー&アッシュポテト」が唄うテンポのいい歌です。元素を擬人化したアニメのエンディングに流されています。
タイトルは「スイヘイリーベ~魔法の呪文~」です。・・・・・
「・・・・・」 ヾ(-_-;)
「アッ!ご免。随分違う方に行っちゃいましたね。」
話を戻しましょう。(どこからだったかな~?)
レア・アースの用途は磁石、光磁気ディスク、蛍光体、レーザー、光ファイバ増幅器、コンデンサなどです。
モーターの性能を左右する磁石の磁力を高める原料としてネオジムやジスプロシウムを使っています。ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)に不可欠です。
PCでお馴染みのハードディスク駆動装置(HDD)や医療機器MRIのモーターなどにも使われています。
データ通信の主流となった光ケーブルでの光を増幅したり、デジタルカメラのレンズの屈折率を向上させたり、プラズマテレビの蛍光体の色を鮮やかにしたりする材料にも使われています。
この原材料で、日本は産業の得意分野で技術革新を起こしたとも言われています。
レア・アースの産地は、江西省カン州市、内モンゴル自治区など中国が世界の生産量の95%以上を占め、その他の産地もインド、オーストラリア、ブラジル、カナダ、米国(現在は中国との競争に圧され閉山中)など一部の地域に偏っています。
日本は世界需要の半分近く(約4万t)を占めていますが、その大部分を中国からの輸入品である風化花崗岩に頼っています。
中国以外の産出国への買付けは、中国と鎬を削っている状況で、思うようには進展していないようです。
冒頭に紹介した新聞記事が“一大事”であるかのように書いているのは、中国が経済成長に伴ってレア・アースの輸出を減少させており、世界的な需給バランスの逼迫が懸念されているからに他なりません。
一方、最近の研究で日本国内のマンガン鉱床に花崗岩を上回る割合で希土類元素が含有されている事が判明しました。
更に、火力発電所等の石炭や石油の灰、海底のマンガン団塊やコバルトクラスト、熱水鉱床等の海洋資源も供給源として期待されています。
これらの研究開発は、文部科学省による「元素戦略プロジェクト」、経済産業省による「希少金属代替開発プロジェクト」が平成19年(2007年)より進められており、NEDO (独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が運営機能の一部を担っています。
文部科学省と経済産業省が連携したプロジェクトの目的は、
①希少元素や有害元素を使うことなく、高い機能をもった物質・材料を開発すること
②非鉄金属資源の安定供給確保に向けた戦略の一部として代替/使用量低減技術を開発すること
の2点が挙げられています。
このプロジェクトが早く実を結ぶことを期待していますが、もう一方で、既に製品として世の中に出ているレア・アースを無駄に廃棄しない、リサイクルの仕組み作りを官民一体となって実現することにも取り組んで貰いたいものです。
(元素周期表)
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