ここのところ、試乗欲が薄れている気がします。
試乗という行為が面倒なわけではないのですが、単に乗りたいとか、見てみたいと思う程の新型車種に会えないという事かもしれません。
もちろん価格をとっばらえば幾らでもありますが、現実的なところで見ていくと、代り映えがしない。
例えばW206には代車で乗りましたが、W205に乗っているにもかかわらず試乗を考えてもいなかった。
3シリーズにLCI(マイナー)が入ったところでショウルームへ行くでもなし、Q3スポーツバックは期待していたにもかかわらず見にも行かなかった。
ここで思うのは、ある程度予想が出来てしまうからなのかもしれない。
基本性能のレベルは今やかなりのところにあり、旧型と乗り比べて「こりゃ違う!」と驚くほどのモデルチェンジは少ない。
ボディ剛性も高みにあり、エンジンに関しては新開発の度肝を抜くようなものは、なかなかお目にかかれない。
若かりし頃のモデルチェンジといえば、新開発のエンジンを積み、足回りを大改良し、これでもかという程に垢抜けたりして、どうあっても新型が欲しくなるものでした。
今の車の耐用年数が伸びたことも一つだとは思います。
まぁ昔の車はヤレというのが本当に目立ったものでしたから。
つまり誤解を恐れずに言うならば、伸びしろが減ったのだろう。
十分な領域にあった車両ですから、そこから圧倒的に性能を上げる必要が無くなった部分もあるでしょう。
今の車に比べると、昔の常識的な価格で買える車は圧倒的に走りませんでしたから。
それが今ではモーターの力を借りたり、ダウンサイジングターボの目覚ましい進歩、ディーゼルターボエンジン普及など、本当にどれも走るようになりました。
もう今の時代、走らせる事(機敏に)よりも、環境性能に力を入れなければならないのでしょう。
つまりこの匙加減により、その走りというものが予測できたりしてしまうのではないか、と密かに考えています。
正直言って、少し前までは名車というものが分かりやすかった。
私は5型ゴルフのツインチャージャーモデルはその一つと考えますが、あの様にこれを選べば鉄板というものが目立たなくなったと感じます。
つまり、みな良く走って燃費も良く、広くて快適で。
雑に言ってしまうと、似たり寄ったりにあるのかもしれない。
Cクラスがアジリティと言い出して、現行型では目をつぶって乗れば3とCの違いが分からない人も多いのだろう。
W204とE90時代では、明らかに味付けは違っていたと記憶します。
どれも良く走るようになったが、特色が薄れたと言えば贅沢なのでしょうか。
試乗など出来そうにないが、ランクル250であったとしてもプラドのディーゼルに乗った事があれば想像できるのでしょう。
2.4tあるボディにあの2.8Lのディーゼルでは、少し物足りないのかもしれない。
ただ今の時代700万円台のプライスとするならば、落としどころなのでしょう。
ヴェラールは2Lディーゼルを積むが、出力は同程度でトルクは10キロ落ちますけれど、車重が400㎏ほど軽い。
しかし価格は1000万円近いもの。
ヴェラールのガソリン400馬力モデルとディーゼル、そして未だ乗っていなかった8型ゴルフヴァリアントのマイナーモデルあたりに乗ってみたいと密かに思う。