「かぜ診療マニュアル」編著者の山本舜悟先生からコメントをいただいた。思いがけないことで、恐縮している。ただ4月の記事に対するコメントで、半年前なので正直あまり覚えていない。改めて、サマリーを見返した。
17歳の男子高校生が4月9日から発熱、4月10日から咽頭痛があり、4月11日に当院内科新患を受診した。扁桃の発赤・白苔、前頸部リンパ節腫脹・圧痛があった。白血球数12000・CRP7.4で溶連菌とアデノウイルスの迅速試験は陰性だった。肝機能検査は正常域。新患担当の女性医師(大学から応援)から「扁桃炎の患者さんの入院治療をお願いします」と依頼がきた。その日午後は耳鼻咽喉科の外来(大学病院から応援)があったので、診てもらった。扁桃周囲膿瘍などはなく、細菌性扁桃炎でいいでしょうという診断だった。内科で入院になった。
細菌性扁桃炎としてセフトリアキソン(選択としてどうか)を開始した。翌日の4月12日には解熱して咽頭痛も軽減した。木曜日の入院だったので、土日は入院継続で翌週の月曜日に再検査とした。4月15日には白血球数5200・CRP2.7となったが、歯肉の腫脹・発赤・疼痛が出現した。扁桃炎自体は良くなっていて、歯肉の炎症はあるが、食事摂取はできた。予定ではここで退院予定だったが、歯肉炎の経過をみるため、もう2日入院とした。4月17日歯肉の所見は同じだったが、退院希望があり、退院とした。数日後に外来に来てもらうことにしたかったが、入院して学校を休んでいたので、あとは休めないと言われて、良くならない時は受診とした。結局その後は受診してないので、多分治ったのだろう。
「かぜ診療マニュアル」の83ページの記載を見ると、この症例も単純ヘルペス感染症のようだ。ただ扁桃炎としては良くなっていて、抗菌薬投与に反応したような経過のようにも見えるが変だが。
口腔内疾患の本でカード式になったのが出ていたような気がする。本屋で探してみよう。ちなみにアダラートによる歯肉炎は2例あった。