なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

バタバタした内科外来

2013年12月17日 | Weblog

 内科新患を診ていた。44歳男性が7月から糖尿病で外来通院していた。下肢のしびれがあり、それでも病院にいく気はなかったらしいが、奥さんが半ば無理矢理に連れてきた。HbA1cが10%台で両側足指から膝下までのしびれで、以前に糖尿病を指摘されて放置していたので、糖尿病神経障害と判断された。疼痛としてひどいわけではない。糖尿病の内服治療が始まって、しだいにHbA1cは低下してきた。アルコール多飲があり、焼酎のお湯割りを5~6杯飲んでいた。仕事はしていない。

 診察前に今日の検査結果を確認すると、Hb!cが7.0%と普通の糖尿病の値まできていた。エクア(50mg)2錠分2・メトグルコ(250mg)錠分2でこの値なら、まずますと思いながら患者さんを診察室に呼び入れた。奥さんに抱えられて、ふらふらと入ってきた。血圧が低いという。血圧70mmHg台だった。降圧剤は入っていない。普段は120~130/70~80mmHgなので、ショックだった。冷汗もある。胸痛はないというが、無痛性心筋梗塞かもしれないと、診察室内で心電図をとったが、洞性頻脈のみでST-T変化はなかった。

 2-3日アルコールはやはりお湯割り5~6杯(実際はもっと?)飲んでいて、食事をとっていないという。そういえば、今日の尿検査で尿ケトン体(3+)だった。以前にアルコール性ケトアシドーシスの患者さんがいたので、血液ガスをとった。アシドーシスはなく、特に問題はなかった。心源性酵素をみても正常域で問題なかった。ネオラミンスリービー(ビタミンB1を50mg含む)を入れて点滴を開始した。点滴が本文入ったところで血圧は130となり、冷汗も消失した。そのまあ点滴室に移動して、経過をみることにした。食事をとらずにアルコールだけ飲んでいて、脱水も加わったのだろうか。2本目の点滴をすることには、病院の売店に歩いて行っていた。奥さんが買ってきたおにぎりが硬かったので、自分で選んできたという。そういえば、歯がぼろぼろだった。

 その後、整形外科医が内科外来に来て、右肩から肩甲部にかけての痛みを訴える44歳男性を診てほしいという。糖尿病でインスリン強化療法をしている。右上肢を動かした時の痛みで、血液検査では炎症反応はなく、心源性酵素の上昇もない。右橈骨動脈の拍動は良く触れた。胸部X線・心電図は異常なかった。横になるのがひどいというが、ひょいと立ち上がったり、両側上肢を動かしたりして、重症感はない。横臥すると痛いというので、CTは撮れないが、縦隔の拡大はまったくない。普段から両側肩~肩甲部が凝っていて、がちがちになっている。比べると右側がより硬い。これは筋骨格系の痛みでいいと思いますと整形外科にお返しした。その後落ち着いたようだ。知り合いが大動脈解離になって、それを心配したらしい。この二人が同時に受診して、さらに神経内科を受診した患者さんの付き添いの妻が急に倒れた。夜寝ていないだけと後で判明したが、内科の看護師さんは、通常の外来業務もあって大忙しだった。

 午後に、嘔気嘔吐の患者さんを診て下さいと連絡が来た。63歳女性が急に後頸部重苦感が出現して、その後にめまいと嘔気・嘔吐が出現して受診した。内科医院に高血圧症で通院している。意識は清明だった。麻痺はない。発症の仕方から頭蓋内疾患と思われた、頭部CTで頭蓋内出血はなかった。点滴と採血をして、小脳脳幹部梗塞・椎骨脳底動脈解離疑いで頭部MRIを検査した。PICA閉塞による右小脳梗塞だった。神経内科医に診てもらって入院になった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする