「消化器治療薬の使い方」を読んでいる。途中まで読んだところで他の本を読み始めたので、読了できていなかった。細菌性下痢症のところに、原因細菌別食中毒発生状況でサルモネラ菌属が一番多いとあった。次がカンピロバクターで、その次がウェルシュ菌だった。ウェルシュ菌は経験がない。
そういえば、先月血栓閉塞型大動脈解離で炎症反応がかなり高く、意識障害のある患者さんが救急外来を受診した。原因不明の肝機能障害が目立っていた。確か早朝に受診して、当直の循環器科医が診て、消化器科医に相談していた。大動脈解離だけでは説明がつかなかった。結局、全体像は分からず、循環器センターのある専門病院に搬送することになった。そこには消化器センターもある(ただし専門は消化管)。紹介状は消化器科医が書いた。
その後、サルモネラ感染から敗血症をきたしたものと診断されたそうだ。血液培養の結果で診断されたのだろうが、感染症に強いという印象のない病院なので、ちょっと驚いた。何とか救命したが、結局人工呼吸装着となってしまった。抜管できる当てはなかった。人工呼吸のまま当院に転院してきたが、紹介状を書いた消化器科医のもとに戻ってきた。全体的に消化器科でみるべきか微妙だが、そうかといっていまさらどこの科かといわれると難しい。何だか、巡り合わせが悪いような気もして、その旨を消化器科医に伝えた。人工呼吸は継続するものの病状は少しずつ下り坂で、家族もあきらめているという。