なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

多発関節炎ーたぶん偽痛風

2013年12月22日 | Weblog

 78歳男性が体中が痛くて動けなくなって救急搬入された。今日(日曜)は日直が小児科医で当直が私だった。若い循環器科医が午前中病棟を見に来ていて、外来の内科分を診てくれていた。昼に電話がきたが、診てみないとわからない。午後2時に病院に着いて、患者さんを診察した。11月末に右下肢蜂窩織炎になったという記載があった。今見ると治っていた。腎臓内科の外来に通院していて、高血圧症・糖尿病がある。血清クレアチニンは0.9mg/dlだった。最初は右膝関節痛があったらしい。難聴で話が遠く(補聴器をつけていても)、症状の経緯を聞くのが大変だった。その後の順番は良くわからないが、両側の膝・手・手指関節の一部・肘(軽度)・肩が痛いという。実際に熱感・腫脹fがある。後頸部も痛いという。首が右に少し回るが左には痛くて回らない。フェブリクを内服しているが、高尿酸血症だけで痛風発作はなかったようだ。血清尿酸値は正常域だった(正常値でも否定はできないが)。

 両側膝関内に石灰化がある。手関節と恥骨結合の石灰化ははっきりしなかった。環軸関節の歯突起周囲にも石灰化がある。感染症後に2-3週で起きているところから、偽痛風と思われた。胸部X線で肺炎はなく、尿混濁もなかった。肝機能は正常域で腹部症状もない。意識は清明で、関節痛がなければ麻痺はないだろう。感染症も否定できないので、血液培養2セットをとっておいた。抗炎症として、ステロイドを使うか、NSAIDを使うか迷った。外来でボルタレン坐薬25mgを1回使用したところ、ある程度症状が軽快して上肢を動かすようになっていた。腎機能を見ながら3日間NSAIDを使ってみることにした。HbA1cが8.8%と元々血糖コントロールは良くない。外来の糖尿病薬は継続して、入院中はインスリンで補正することにした。インスリンを使用するのであれば、ステロイドを使用して短期間で漸減中止すればよいのかもしれない。明日は休日なので、明後日腎臓内科担当の副院長に相談して決めることにした。

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