なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

療養型病床からの返事

2013年12月20日 | Weblog

 療養型病床を持つ病院から手紙が来ていた。さて、最近紹介した覚えはないと思いながら封を開けた。多系統委縮症で誤嚥性肺炎を起こして入院した67歳男性の返事だった。先月誤嚥性肺炎で死亡したという内容だった。

 59歳の時に大学病院神経内科で多系統委縮症と診断されたが、それまで複数の病院を受診して診断がつかなかった。パーキンソン病に準じた処方で経過をみていたが、しだいにADLは低下していた。通院も大変になって、大学病院から当院の神経内科に管理を依頼することになっていたそうだが、今年の5月紹介前に当院に誤嚥性肺炎で救急搬入された。当院の神経内科医が、だからもっと早くこちらに紹介すればいいのに、と言っていた。

 寝たきりで嚥下障害で経口摂取はできなかった。よくこんな状態で自宅で過ごしていたものだと思われた。肺炎が治癒した後に内視鏡的胃瘻造設術を施行して、経管栄養を開始した。順調ではあったが、喀痰吸引を頻回に要して、入院継続が必要だった。療養型病床を持つ病院に依頼して7月転院していた。奥さんは病院に預けられて安心と言っていた。予後不良については覚悟していたようで、むしろ介護の大変さから解放されてホッとした様子だった。まあ、無理もない。ここ数年は日常生活全介助だったのだから。

 転院後は2回肺炎で治療して治癒したらしい。最期は膿性痰は常に出ていたが、先月急に呼吸困難から呼吸停止に陥り、そのまま亡くなられたとあった。

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