昨日胆嚢結石症・急性胆嚢炎で入院した80歳代男性(脳梗塞後遺症で全介助)は、平熱から微熱くらいで自覚症状や圧痛の程度は変わらなかったが、検査値(白血球数・CRP25)が悪化した。外科にまた相談して、昼過ぎから緊急手術となった。結果は「胆嚢壁が腐ってました(壊死性胆嚢炎)」ということで、週末の休み前に手術してもらってよかった。保存的に診ていたら、敗血症性ショックで土日に急変した可能性もあった。こういう使い方をするとCRPは役に立つ(今回外科医に決断させたのはCRPの著増)。
昨日は内視鏡室の看護師さんの定年退職の慰労会があった。4月からも再任用で働くので実態は変わらないが、区切りなので消化器科医の音頭で開催された。勤続40年になる。病院のこれまでの歴史や勤務された先生方を良く知っている。各病棟や部門を回ったが、内視鏡室勤務になってからは(正確には検査担当で心カテや造影検査全般にかかわる)、専門的なことにかかわれたので、やりがいがあったと言っていた。内視鏡治療の手技や道具に精通している。内視鏡医が鉗子を止血部位にもっていくと、(指示が出る瞬間か、出る一瞬前に)その看護師さんがすばやくクリップをかけてしまうそうだ。
昨日は外科医が当直だった。歩いて受診する患者さんは少なかったが、救急搬入が多かった。飲酒で動けなくなった中年女性(今朝退院した)、めまいの初老男性、排尿してそのまま失神した高齢女性、大腿骨頸部骨折、うっ血性心不全の102歳女性と多彩なラインナップだった。居酒屋で慰労会をしている時に救急車が走っていって、内科当番だった私は呼ばれるかと思ったが、連絡はなかった。一晩は外科医が自分で診ていて、今朝になってからそれぞれの専門科に割り振られた。大学病院にいた時に救急部門にいた先生なので、苦にならないらしい。
若い消化器科医が慰労会の時に来年父親の医院を継ぐという話をした、雇う看護師さんも考えているらしい。一日中外来で高齢者を診るのはいやだといっていたが、開業医のひとり息子として決断したようだ。新院長先生に廊下で会うと、ちょっとと呼ばれて院長室で話を聞いた、脳外科医がいなくなったので、脳外科疾患の患者さんが搬入された時の搬送先が問題になっている。多数の脳神経外科医をかかえる病院に挨拶にいって相談したという。他の脳神経外科病院にも挨拶に行く予定と言っていた。聞いたばかりの若い消化器科医の医院継承の話を伝えた。消化器科医の動向は病院の死活問題になる。